• "IoT"(/)
ツイート シェア
  1. 福岡県議会 2021-12-08
    令和3年12月定例会(第8日) 本文


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(秋田 章二君) ただいまから本日の会議を開きます。  日程に追加し、所管常任委員会に付託いたしております第一九〇号議案から第一九四号議案までの五件を一括議題といたします。  常任委員長の報告を順次求めます。  まず、総務企画地域振興委員長の報告を求めます。井上博行君。(拍手) *総務企画地域振興委員長報告 2 ◯総務企画地域振興委員長(井上 博行君)登壇 私は、総務企画地域振興委員会の委員長といたしまして、ただいま議題となりました議案のうち、本委員会に付託されました第一九〇号議案所管分、第一九一号議案及び第一九二号議案の以上三件について、審査の結果を簡単に御報告いたします。  関係議案について当局から説明を受け、慎重に審査を行いました。  採決の結果、いずれの議案も起立多数をもって原案のとおり可決いたしました。  以上で報告を終わります。(拍手) 3 ◯議長(秋田 章二君) 次に、文教委員長の報告を求めます。片岡誠二君。(拍手) *文教委員長報告 4 ◯文教委員長(片岡 誠二君)登壇 私は、文教委員会の委員長といたしまして、ただいま議題となりました議案のうち、本委員会に付託されました第一九〇号議案所管分及び第一九三号議案の以上二件について、審査の結果を簡単に御報告いたします。  関係議案について当局から説明を受け、慎重に審査を行いました。  採決の結果、いずれの議案も起立多数をもって原案のとおり可決いたしました。  以上で報告を終わります。(拍手) 5 ◯議長(秋田 章二君) 次に、警察委員長の報告を求めます。渡辺勝将君。(拍手) *警察委員長報告 6 ◯警察委員長(渡辺 勝将君)登壇 私は、警察委員会の委員長といたしまして、ただいま議題となりました議案のうち、本委員会に付託されました第一九〇号議案所管分及び第一九四号議案の以上二件について、審査の結果を簡単に御報告いたします。  関係議案について当局から説明を受け、慎重に審査を行いました。  採決の結果、いずれの議案も起立多数をもって原案のとおり可決いたしました。
     以上で報告を終わります。(拍手) 7 ◯議長(秋田 章二君) 以上で常任委員長の報告は終わりました。  このたび、高瀬菜穂子君から第一九一号議案、第一九三号議案及び第一九四号議案の三件について討論の通告がありました。  これより討論を行います。発言を許可いたします。高瀬菜穂子君。(拍手) *高瀬議員討論 8 ◯六十九番(高瀬 菜穂子君)登壇 日本共産党の高瀬菜穂子です。第一九一号議案、福岡県職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定について及び第一九三号議案、福岡県公立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定について及び第一九四号議案、福岡県警察職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定についてに反対の立場から討論を行います。  本条例案は、人事委員会の勧告に基づき、本県職員、公立学校職員、警察職員の期末勤勉手当を〇・一五月分引き下げるというものです。そもそも人事院が二年連続で公務員の一時金削減勧告を行ったこと自体、コロナ禍での自治体労働者の奮闘を見ないもので、不当と言わざるを得ません。萩生田経済産業大臣が経団連会長に賃上げを要求し、岸田首相も看護や介護、保育などの現場で働く労働者の当面の収入を引き上げるとする経済対策を打ち出しています。このような中で公務員の賃金引下げは、政府方針にも逆行します。さらに、去る十一月二十四日、総務副大臣は地方自治体に対し、期末手当〇・一五月分引下げに相当する額を来年二〇二二年六月の期末手当から減額する国家公務員の取扱いを基本として対応を求める通知を発出しました。公務員のボーナス引下げは、コロナから回復途上にある日本経済にマイナスの影響を与えると判断されたと報道されています。これを受け、石川県、青森県等は、地方公務員の均衡の原則から、国の方針に合わせ、十二月ボーナスからの引下げ勧告を見送ったということです。本県においても同様の取扱いをすべきであることから、特別職を除く一般職員等の給与引下げ条例案及びその補正予算案に反対を表明します。  なお、本県の議員の手当は、県職員の例によるとなっていますが、議員は職員とは異なります。人事院のマイナス勧告の影響も受けておりません。議員の手当については、引下げは妥当だと考えます。  これまでも申し上げてきたとおり、職員と議員とは別に条例提案されるよう求め、反対討論とします。(拍手) 9 ◯議長(秋田 章二君) 以上で討論を終わります。 *採決  これより採決いたします。  まず、第一九〇号議案、第一九一号議案、第一九三号議案及び第一九四号議案の四件について、委員長の報告はいずれも原案可決であります。委員長の報告のとおり原案を可決することに賛成の諸君は御起立願います。           賛 成 者 起 立 10 ◯議長(秋田 章二君) 起立多数であります。よって、第一九〇号議案外三件はいずれも原案のとおり可決されました。  次に、第一九二号議案について、委員長の報告は原案可決であります。委員長の報告のとおり原案を可決することに賛成の諸君は御起立願います。           賛 成 者 起 立 11 ◯議長(秋田 章二君) 起立多数であります。よって、第一九二号議案は原案のとおり可決されました。  日程に従い代表質問を行います。順次発言を許可いたします。堀大助君。(拍手) *堀議員質問 12 ◯二十八番(堀 大助君)登壇 皆さん、おはようございます。食と緑を守る緑友会福岡県議団の堀大助です。二〇二一年もあっという間で、年の瀬が迫ってきました。今年も新型コロナウイルスに翻弄された一年となりましたが、ワクチンによって光も見えてきました。来年がコロナを克服したすばらしい年になるよう祈っております。  緑友会にとっての二〇二一年は、新たに二名を迎えて十一名体制となりました。大きな会派ではありませんが、井上忠敏会長を頂点に、一致団結、箱弁当、鉄の結束で県勢発展のために頑張りたいと思います。今後とも御指導よろしくお願いいたします。  それでは、代表質問を行います。  まず、新型コロナウイルス対策について伺います。現在、国内での状況は落ち着きを見せていますが、海外では新たな変異株オミクロン株が拡大傾向にあり、いつ何どき次の波が来るともしれません。このまま終息してほしい、誰もが願っていますが、危機管理の要諦は最悪に備えること。特に、コロナウイルスには季節性があるとも言われ、冬場に流行期を迎えると専門家も口をそろえています。  そこで伺います。第一に、対策を立てるには原因把握が何よりです。秋場の急速な感染減少について、どのように分析しているのか、まずはお答えください。  その上で、これから真冬期を迎える中、県としてどのように対処していくのか、知事に伺います。  特に、年明けには受験生にとって大切な受験期を迎えます。県立高校入試におけるコロナ対策についてどのように取り組んでいくのか、教育長にお尋ねします。  次に、ワクチンの三回目接種について伺います。早いもので、医療従事者向け接種が始まった三月から十か月近くが経過しました。ワクチンの効果の持続期間は未知数ですが、短く見積もる研究もあることから、できるだけ早期の三回目接種が望まれているところです。  そこで伺います。三回目接種はどのようなスケジュールで進んでいくのか、まずお聞かせください。また、三回目接種において、県はどのような役割を担うことになるのか、併せてお聞きします。さらに関連して、未接種者への接種促進についても、継続して取り組んでいると思いますが、現在の二回接種率と、未接種者に対する今後の取組についてお聞かせください。  次に、季節性インフルエンザの流行とワクチン接種についてお尋ねします。昨シーズンは、心配されていたインフルエンザ新型コロナの同時流行は見られませんでした。しかし、日本感染症学会は、今シーズンはインフルエンザが大きな流行を起こす可能性があると発表しました。昨年流行しなかったことにより、インフルエンザに罹患した人が極めて少数だったため、社会全体の集団免疫が形成されず、今後大きな流行を起こす可能性もあると考えられます。英国政府も、今年のインフルエンザは早期に流行が始まり、昨年流行がなかったため、例年の一・五倍の大きさの流行になる可能性があるとして、インフルエンザワクチン接種を呼びかけています。ところが日本では、インフルエンザワクチンが足りずに、ワクチン接種ができないという声も聞かれます。  そこでまず、インフルエンザワクチンの供給状況とインフルエンザの感染予防に向けた県の取組についてお聞かせください。  次に、コロナワクチンの三回目接種との関係について伺います。新型コロナワクチンの三回目接種が始まりましたが、インフルエンザワクチン新型コロナワクチンは同時に接種しても問題ないのか、それとも一定の期間を空けなければならないのでしょうか。また、県民への周知はどのようになっているのでしょうか、お答えください。  次に、来年度予算編成や財政問題について伺います。新型コロナ対策により、本年度はこれまで十四度の補正予算を議決。本議会にも新たな補正予算が提出されており、財政規模は大幅に膨れ上がっています。コロナ禍で苦しむ人々に必要な支援をすべきことは当然ですが、過去に類を見ない予算の膨張に、不安を感じている人々も多いのではないでしょうか。県知事として、まさに歳入と歳出のバランスに腐心しての予算編成になるのではと思います。  その中で、コロナ対策といえども、無制限に認められるわけではなく、必要な場所に必要な額を届ける、費用対効果を吟味して配分するという視点がこれまで以上に問われてきます。国では、国民に対する十万円給付やクーポン配付の事務費増大について、ばらまき、無駄遣いとの批判もあります。県民が十分に納得できる税の再配分をどう実現するのか、知事の手腕に期待が集まる中で、来年度予算編成にどのような姿勢で向かうのか、まずはお聞かせください。  次に、財源について伺います。経済がダメージを受ける中、税収についても先行き不透明です。来年度の税収は、今年度分の決算見込みの状況を基にするとのことです。  そこでまず、現時点の今年度税収見通しを、そして、それを踏まえて来年度税収をどのように見込むのか、お聞かせください。  関連して、県債についても伺います。昨年度の税収減に対応するため、三百億を超える減収補填債が発行されるなど、全国的にも地方債が増発される環境にあると思います。一方で、起債には引受手が必要なことから、地方債による資金調達について心配もあるところです。そこで、本県において県債の安定的な発行についてどのようにお考えか、お答えください。  次に、今後の財政負担について伺います。コロナ対策で膨れ上がった財政のほとんどが、臨時交付金や包括支援交付金など、国による財源の手当てがあるものとは聞いておりますが、県独自の施策も多くあり、今後の県財政に影響がないのか、不安を感じる方もあろうかと思います。  そこでまず、これまでのコロナ対策に関連する予算額とその財源をお示しください。その上で、後年度に本県が負担すべきものについて県財政への影響をお答えください。  次に、安定した自治体運営のための財源確保について伺います。地域の実情に応じた行政サービスの提供には、安定した財源が不可欠です。人口減少、少子、高齢化が進む中、コロナにも対応するためには、地方財政の基盤を強固にしなければなりません。まずは何といっても、行政需要を的確に反映した地方財政計画、そして一般財源総額確保が重要です。そして、恒常的になってしまっている臨時財政対策債増加を抑え、地方交付税の本来あるべき姿に戻していかなければなりません。服部知事は、財政課長経験者でもあり、自治体財政のスペシャリストですから、自治体財政の将来について思うところがあるのではと思料いたします。そこで、今後の安定した自治体運営のための財源確保について、御所見をお聞きします。  次に、財政問題に関連して、県内市町村の財政状況について伺います。九月三十日、昨年度の県内市町村普通会計決算速報が発表されました。コロナの影響で、歳入歳出とも大幅増ではありましたが、財政状況に関しては影響は限定的でした。しかしながら、影響はむしろこれからと危惧する声があります。県内自治体の健全な財政運営をサポートするのも県の重要な役割です。  そこで伺います。さきに述べた決算について、まずはどのように分析しているのか、コロナの影響にも触れた上でお答えください。  基金についてもお聞きします。市町村においても、財政の膨張と裏腹に、基金の取崩しが全国的に問題になっています。県内市町村財政調整基金の推移について、コロナ前と後についてお示しの上、分析結果をお聞かせください。  次に、住民サービスへの影響について伺います。先日、コロナの影響で住民サービスを削減している自治体が増えているとのニュースを目にしました。例えば、昨年十月に財政非常事態宣言を出した埼玉県新座市では、百七十項目に及ぶ住民サービスの見直しに踏み切ったとのことでした。財政状況が厳しい中で、立て直しが必要であることはもちろんですが、必要な住民サービスが削られるという事態は非常に深刻です。このような事態が本県で起こらないよう、県内市町村の財政状況を注視し、支援に尽力すべきです。  そこで伺います。新型コロナの影響で財政が悪化し、住民サービスに影響が生じるような事態について、県内自治体では想定されないのか、お聞かせください。  次に、岸田新政権について伺います。第百代及び百一代内閣総理大臣に指名された岸田総理は、新しい資本主義を政策の目玉に掲げています。新しい資本主義とは、経済成長の恩恵を受けていない非正規労働者などの格差問題に目を向け、成長と分配、特にサラリーマン層などの労働者への分配に力を入れ、消費者の購買力を上げ、成長と分配の好循環につながるという考え方であります。  そこで知事に伺います。岸田政権の目指す新しい資本主義についての服部知事の御見解を伺います。  また、岸田政権になり、財政支出五十五・七兆円という大規模なコロナ対策としての経済対策が打ち出されました。岸田政権の経済対策に対する御所見も併せて伺います。  次に、民主主義に関わる諸課題についてそれぞれ伺います。まず、さきに行われた衆議院総選挙に関連して数点伺います。選挙は民主主義の根幹であり、主権者が政治に直接関与する極めて重要な機会です。投票環境整備は民主主義の基盤整備、県としても優先的に取り組むべき課題です。  まず、今回の総選挙の全体的な総括をお聞かせください。特に若年層投票率について、県としての取組とその結果についての分析をお聞かせください。  若年層投票率に関しては、OECD主要国平均で十八歳から二十四歳の投票率が六割を超えているのに対して、日本は二〇一四年の調査時点で三割程度と、かなり低くなっています。主要国のうち、特にヨーロッパの投票率が高い国々では、政治教育や主権者教育が積極的に行われています。日本の投票率が低いことの一因には、これまで主権者教育を積極的に行ってこなかった学校教育にもあると考えますが、これまでの取組実績、実践的な活動を実施した学校、選挙管理委員会地方公共団体、NPOなど地域社会や、家庭との連携に関しての調査結果も明らかにしながら、教育長の現状認識と、課題についての御所見を伺います。  今後についても伺います。新学習指導要領に基づいた主権者教育では、社会科、公民科以外の時間で主権者教育に関わる内容相互の連携を図るなど、教育課程全体での取組が求められます。本県の取組内容をお示しください。  次に、期日前投票について伺います。コロナ対策で、密を避けるため、選挙管理委員会としても期日前投票を推奨していたわけですが、その結果をどう分析しているのか、まずお聞かせください。  次に、期日前投票所についてです。各自治体が投票率向上のために様々取り組んでいますが、今回の総選挙での期日前投票所の設置状況、関連して共通投票所の設置状況について伺います。さらに、高校生有権者について、高校での期日前投票所設置の有無についても伺います。  投票で問題になるのが、本人確認の問題です。現状、投票はがきも不要で、本人確認も徹底できていないとの声も聞きますが、不正投票を防ぐため、どのような対策をしているのかお答えください。  次に、選挙公報の在り方について伺います。以前にも伺いましたが、これだけ期日前投票が増えてくると、選挙公報が届く前に投票を済ませる方も相当出てきています。目を通す前に投票が済んでしまえば、選挙公報が無駄になってしまいます。税の無駄遣いであり、選挙公報に思いを込めた候補者にとっても大変悲しいことです。選挙公報の在り方について、根本的に考えていくときではないでしょうか。  そこで伺います。まず、選挙公報の配布方法について伺います。併せて、選挙公報の配布時期についても、分かる範囲でお答えください。  その上で、今後の選挙において、選挙公報の在り方についてどう考えていくのか、選挙管理委員長の御所見をお聞かせください。  最高裁判所裁判官の国民審査についても、選管が審査公報を発行していることから、関連して触れたいと思います。これは司法権に対する国民による直接の意思表示ですが、まず、この制度の意義についてお答えください。  その上で、現行の制度が本当にその意義を果たしていると言えるのか、御所見をお聞かせください。  そして今後、この制度はいかにあるべきとお考えなのか、選挙管理委員長に伺います。  次に、成年年齢引下げについて伺います。民法改正により、来年四月から成年年齢が現行の二十歳から十八歳へと引き下げられます。明治から約百四十年ぶりの変更で、時代の大きな転換点となります。社会に対して、そして何より新成人たちに大きな影響があります。  そこで伺います。まず、本県のこれまでの取組、対応についてお聞かせください。  次に、特に高校生に対する取組について伺います。引下げに伴い新成人に与えられる権利として代表的なものが、親権者の同意なく有効に契約ができることです。それに伴い、新成人が消費者被害に遭わないように、学校現場での対策もこれまで以上に重要になります。そこで、新成人を含め、学校現場での生徒への消費者教育について、県教委の取組をお聞かせください。  成年年齢引下げに関連する課題についても伺います。成年年齢引下げの影響を受け、刑事裁判の裁判員、検察審査会の審査員についても、対象が二十歳以上から十八歳以上へと引き下げられます。これについては専門家の間でも、対応の遅れを危惧する声が上がっています。法律上は、高校生であれば辞退など認められますが、民主主義における制度の重要性から、意欲ある生徒が積極的に参加できるよう、教育現場としてもサポートをすべきです。そこで、制度の重要性や内容について教える法教育を教育現場でも実施すべきと考えますが、県教委の取組についてお聞かせください。  次に、農政問題について伺います。一点目に、有機農業です。国は、本年五月、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する、みどりの食料システム戦略を公表しました。この戦略は、二〇四〇年までに革新的な技術や生産体系の開発を行い、それを二〇五〇年までに現場に普及することで、農林水産業のCO2ゼロエミッション化の実現や、化学農薬や化学肥料の使用量の大幅な削減などを目指すものです。中でも、有機農業については、耕地面積の二五%、全国で百万ヘクタールと、極めて意欲的な目標です。革新的な技術開発が前提となりますが、持続可能な食料システムの一つとしては、意義のある取組と考えます。  そこでお尋ねします。本県における有機農業の現状と取組についてお聞かせください。  二点目に、鳥インフルエンザに関する県の対応についてです。昨年、本県では初めて高病原性鳥インフルエンザが発生しました。発生が確認された直後から開始された鶏の処分や埋却は迅速に行われ、県内の発生を一農場にとどめることができました。今シーズンも、既に秋田、鹿児島、兵庫県で発生し、先週の熊本県に続き、日曜日には千葉県で発生、今週に入ってからも広島、埼玉県などで確認されており、状況は緊迫しております。  そこで知事に伺います。熊本県の発生場所、南関町は本県県境に近く、本県の一部が搬出制限区域に入るなど、予断を許さない状況となっております。県では、どのように取り組んでおられるのか、お答えください。  この項の最後に、農業水利施設の長寿命化について伺います。近年、激甚化、頻発化する豪雨災害等に対応して、特に老朽化した水路や排水機場といった農業水利施設長寿命化対策が必要だと考えています。今年の雨でも老朽化した施設で大きく被災し、現在は、災害復旧に全力で取り組まれていると思いますが、いつ、どこで豪雨等の災害が発生するか、誰にも予測することはできないのが現状です。  そこで知事に伺います。県内各地にある老朽化した農業水利施設の補修、更新といった長寿命化対策を今後どのように進めるつもりか伺います。  次に、交通安全対策について伺います。まず、高齢運転者の事故防止についてです。先月、大阪狭山市のスーパーマーケット付近で、八十九歳の男性が運転する車が歩行者をはね、一人が死亡、二人がけがをする事故が発生しました。ドライバーはその場で逮捕され、警察の調べに対し、アクセルとブレーキを踏み間違えたと話しているということです。また、亡くなった男性は運転免許証を自主返納していたとの報道もあり、やりきれない話です。本県では、昨年の交通事故件数が、平成二十八年と比較して四二・四%減少したのに対し、六十五歳以上の高齢運転者に主たる原因がある事故の割合が、一八・七%から二二・二%と三・五ポイント上昇しています。他方、運転免許証の自主返納については、中山間地など郊外で暮らす、または農林業に従事する高齢者など、簡単に車を手放せない方も少なくない状況にあり、単に免許証の自主返納での高齢者の交通事故問題が解決するわけではありません。  国では近年、認知機能に問題がなくても、運転機能が低下して事故を起こすケースが多発しているため、来年五月、道路交通法の改正で、七十五歳以上で三年以内に信号無視や逆走、速度超過などの違反があった場合、免許更新時に実車試験を義務づけることになると聞いています。また、自動ブレーキなどを搭載した安全運転サポート車(サポカー)限定の免許を新設する方向とのことです。  こうした国の動きも踏まえ、高齢運転者の事故防止に係る取組について、知事の見解を求めます。  次に、通学路の安全確保について伺います。本年六月、千葉県八街市において、下校中の小学生の列に大型トラックが突っ込み、児童五人がはねられ、二名が死亡、三人が大けがを負う、非常に痛ましい事故が発生しました。現場は見通しのいい直線道路ですが、トラックの往来が激しかったため、住民が歩道やガードレールの設置を要望していたようです。  そこで知事に伺います。今回の事故を受け、通学路の緊急合同点検を指示されたと聞いていますが、その経過と、点検で明らかになった課題に対し、今後どのような対策を講じていくのか、見解をお聞かせください。  次に、環境問題についてお尋ねします。先日、国連気候変動枠組み条約第二十六回締約国会議、いわゆるCOP26がイギリスのグラスゴーで開催されました。採択された成果文書には、世界の気温上昇を一・五度に抑えるための努力を追求することが明記されました。また、温室効果ガスの削減目標では、二〇二二年末までに三〇年の排出削減目標を再検討し、強化するよう求める文言も盛り込まれました。さらに、焦点の一つであった石炭火力発電については、排出削減対策の取られていない石炭火力発電の段階的削減へ努力を加速すると明記されましたが、土壇場で段階的廃止が削減へと弱められたことは、今後に課題を残しました。  そこで伺います。COP26の成果について、どのように認識されているのか、知事の所見を伺います。  また、本県はこれまで、気候変動対策に係る温室効果ガスの削減にどのように取り組んでこられたのか、その成果についても併せてお答えください。  今回、我が国からは岸田総理が出席し、二〇三〇年までの期間を勝負の十年と位置づけ、全ての締約国に野心的な気候変動対策を呼びかけました。また、二〇三〇年度の温室効果ガス排出目標を、二〇一三年度比四六%減とすることを表明しました。この新たな目標を達成するには、産業や社会構造の大変革が必要となります。また、あらゆる分野で脱炭素化の取組を強化し、私たちのライフスタイルも持続可能なものに転換していくことが強く求められます。  そこでお尋ねします。このような状況を踏まえ、気候変動対策に係る温室効果ガスの削減にどのように取り組んでいくのか、具体的にお答えください。  次に、商工問題についてお尋ねします。まず、中小、小規模事業者への経済支援について伺います。コロナ禍や災害などにより、厳しい景気状況が続く中、緊急経済対策資金などの県制度融資による資金繰り支援により、事業を継続する意欲を失わずに持ちこたえている中小、小規模事業者が多数おられると思います。  そこでまず、県制度融資の利用の状況についてお聞かせください。  また、コロナ禍初期に受けた融資については、返済据置期間が終了し、これから本格的な返済が開始されます。依然として厳しい経済環境が続く中、本県としてどのような支援を行っていくのか伺います。  次に、コロナ禍や災害に立ち向かう多くの中小企業が、業態を変化させたり、新たなビジネスを模索したりと、それぞれに頑張っています。厳しい環境変化にも柔軟に対応し、事業継続を図るような足腰の強い企業を育成していく必要があります。  環境の変化に対応しようとチャレンジする企業に対し、柔軟な用途で、活用しやすい支援策が望まれると考えますが、知事の所見をお聞かせください。  また、急激な環境変化に加え、経営者の高齢化が進む中小企業では、事業承継は火急の課題となっています。  そこでまず、本県中小企業における事業承継に関する現状と課題について、知事はどのように分析しているのか、お聞かせください。その上で、事業承継に対する支援をどのように行っていくのか、併せて伺います。  次に、国が行うゴー・トゥー・トラベル事業と本県の施策との連携についてお尋ねします。我が会派は、九月議会の代表質問において、福岡の避密の旅観光キャンペーンについて、誘客目標の達成見込みや利用期間の延長についてただしました。知事答弁は、緊急事態措置により目標達成が困難であることや、利用期間延長について全国知事会を通じ、国に要望しているとのことでした。その後国が決定した経済対策では、ゴー・トゥー・トラベル事業の再開が主要施策として盛り込まれました。このゴー・トゥー・トラベル事業を活用し、コロナ禍で疲弊し切った観光業界を支援するには、利用期間の長期化や平日利用の促進等、息の長い支援が必要と考えます。  そこで、ゴー・トゥー・トラベル事業をどう評価し、県の施策とどのように連携させて取り組んでいくのか、伺います。  次に、飲食店の事業継続について伺います。特措法上の措置で、長期間の休業や時短営業に見舞われた飲食店ですが、十月中旬より、通常営業に戻っています。もっとも、客足は一気には戻らず、コロナ前の状態に戻れるのか、不安を抱えている事業者は多いと思います。借入れや協力金を取り崩して赤字を補填する店舗も少なくはなく、年が明けて確定申告の時期になると、協力金にも税金がのしかかってきます。どのタイミングで店を畳むのか、もうそういうぎりぎりのところもあります。本県の魅力の一つである多彩な食文化を廃れさせてはいけません。  そこで伺います。客足を取り戻し、飲食店の事業継続にどのように取り組んでいくのか、お聞きします。飲食店関連業種についても同様にお聞きします。  飲食店の事業継続に関して、店舗シェアについて伺います。店舗シェアあるいはシェアレストランという事業形態が増えつつあります。これは例えば、Aという店の定休日や営業時間外の間、そこにBというお店が間借りして営業するものです。夜専門の居酒屋が、ランチの時間帯をラーメン屋に貸したり、定休日をほかのお店に使わせたりすることで、空き時間のコストを回収できます。空き時間に入るお店も、設備の整った店舗を使用料だけで利用でき、初期投資を抑えられます。コロナで多くの飲食店が閉店を余儀なくされたとも聞きます。事業を続けている店も深く傷ついています。コロナが落ち着き、再び飲食にチャレンジしたい人がいる他方で、赤字を埋めたい飲食店がある、ここにマッチングの機会が生まれます。さきのシェアレストランの仕組みを活用すれば、コロナで傷ついた両者がお互いに支え合いながら、夢を取り戻すことができるかもしれません。  課題もあります。まずマッチングの問題です。また、貸主との契約上、転貸に制限がある場合がほとんどだと思います。だからこそ、公の出番です。社会における公共性を説き、シェアを可能にする。その際の条件、法的責任を明確化する。それにより希望者を増やし、マッチングの可能性を高める。マッチングサービスは増えつつありますが、法的整備などの面で、行政が先導してルールづくりをして支える理由が十分あると思います。  そこで伺います。コロナで傷んだ飲食店の今後の在り方として、シェアレストランの取組についてどのような認識をお持ちか、お答えください。その上で、県として支援すべきと考えますが、お答えください。  次に、キャンピングカーによる観光振興と災害時の活用についてお尋ねします。コロナの影響もあり、最近は公共交通機関を使った旅行だけでなく、密を避けて、家族や友人単位で、時間の制約なく、気ままに旅を楽しみたい、そんな人たちが、キャンピングカーを利用した車旅を楽しんでいます。二〇一二年公開の映画、高倉健の遺作「あなたへ」公開をきっかけに、キャンピングカーでの旅がブームになり、登録台数が増えてきているとも聞いていますが、ヨーロッパやアメリカなどの諸外国とは違い、キャンピングカーの専用駐車場、RVパークの整備が追いついていないのも事実です。日本RV協会では、今後三年をめどに、国内に千か所のRVパークを開設するとも聞いています。  そこでまず、キャンピングカーによる観光振興について、知事の認識をお答えください。  次に、キャンピングカーの災害時の活用について伺います。アメリカには、FEMA(連邦緊急事態管理庁)という組織があり、洪水、ハリケーン、地震、原子力災害などに際し、連邦機関、州政府、その他の地元機関の業務を調整し、家屋や工場の再建や企業活動、行政活動の復旧を支援しています。この組織は、アメリカ全土に約二万六千台のキャンピングカーを保有または契約しており、有事の場合、即座に災害現場に配備できます。  国内では、自治体レベル、例えば愛知県瀬戸市の災害時におけるキャンピングカーの貸与に関する協定や、三重県いなべ市の連携協力に関する包括協定など、日本RV協会の会員企業との災害時の協定締結が加速していると感じます。本県においても、今年四月、九州経済産業局が、遠賀郡所在のRV会社ナッツと災害時における連携協定を締結。この会社は、平成二十九年の九州北部豪雨で被災した朝倉市にキャンピングカーを寄贈しており、朝倉市は、このキャンピングカーを平時には周遊観光のレンタカーとして、災害時は避難者の支援施設として活用し、成功例の一つ、朝倉モデルとも言われています。国においても、本年六月、キャンピングカーとくるま旅の普及を実現する議員連盟が立ち上がり、これまで述べた大きな社会的役割を有するキャンピングカーの活用推進などを図るとのことです。  そこでお尋ねします。キャンピングカーは、災害現場における職員の打合せスペースや仮眠所、避難所に配備すれば乳幼児の授乳室や携帯の充電電源車等として、様々利用できます。RV協会や会社との協定締結も含め、キャンピングカーの災害時の活用について、御所見をお聞かせください。
     次に、県土整備問題として、重要港湾三池港の利用促進についてお尋ねします。県内には、県管理の苅田港、三池港の二つの重要港湾があり、国際、国内海上輸送網の拠点として位置づけられております。とりわけ、県南にある三池港の国際コンテナ定期航路については、平成十八年に三池港─釜山港間において週一便で開設され、平成二十二年からは週二便となり、利用荷主企業は地元福岡県南部をはじめ隣接する荒尾市、玉名市等の熊本県北部や佐賀県まで利用地域を拡大しております。また、有明沿岸道路の延伸もあり、港湾と道路の連携が格段に向上し、コロナ禍であっても、特に家具の産地である大川地区では家具や家具材の取扱いが増えたことで、三池港のコンテナ貨物取扱量も右肩上がりに伸びている状況とお聞きしております。  そこで伺います。これまで県南の物流拠点として、コンテナ定期航路を発展させるため、県として貨物集荷に直結する港湾整備をどのように進めてきたのかお答えください。併せて、三池港の近年の取扱貨物量の推移と今後の見通しについて、お答えください。  現在、世界的にはコロナ禍の影響で、貨物需要の増加によりコンテナ不足や海上輸送運賃の高騰、さらに東南アジアの主要な港では、新型コロナの感染拡大により、通常の港湾荷役作業の遅れが生じ、コンテナ貨物が港で滞留する事態が生じております。このような情勢を踏まえ、三池港を利用する荷主企業貨物の動向や今後のコンテナ定期航路の見通しについて大いに注目されるところであり、また三池港を利用する荷主を増やすとともに、コンテナ貨物の取扱量を増やすことは、新規航路の誘致に必要であると考えます。  そこで伺います。新規航路の誘致に向けた三池港のポートセールス活動の状況とコンテナ定期航路の将来展望についてお聞きします。  次に、教育問題です。まず、本県におけるGIGAスクール構想の取組について、教育長に伺います。GIGAスクール構想は、社会のICT化に対応した、学校現場での実践的なICT教育の普及、推進のため、国の財政支援による児童生徒一人一台端末の整備をはじめとした取組です。この構想は、コロナ対策としての臨時休業の長期化を受け、令和五年度までの達成が前倒しとなりました。本県においても、教育委員会が福岡県学校教育ICT化推進計画を昨年十二月に策定、今年度までの対応方針を明らかにし、実行しております。  そこで以下伺います。まず、県内の公立小中学校の児童生徒一人一台端末の整備状況と、整備された端末を授業や宿題など学校現場でどのように活用しているのか、伺います。  二点目、小中学校などの現場はWiFiなどのネット環境が整備されておりますが、自宅にネット環境がない子供もいます。自宅にネット環境がない子供への対応策は、モバイルルーター貸出しなど、市町村により違いがあります。  そこでまず、臨時休業時の学びの保障についての県教委の考えを伺います。  その上で、自宅にネット環境がない子供たちへの学びの保障はどうなされているのか、伺います。  三点目、GIGAスクール構想は、児童生徒一人一台端末の整備が注目されておりますが、学校のネット環境が遅ければ、整備された端末も十二分に活用できません。県下の学校のネット環境は、学校ごとに個別に接続するダイレクトインターネットアクセスと、学校をまとめたデータセンターアクセスに大別されます。特にデータセンターアクセスの場合、利用する学校、児童生徒が多い場合、接続ができなかったり、接続に時間がかかることがあると聞いております。  今後、授業でICT活用がさらに進んでいくことを考えれば、通信環境の改善を図っていくことが必要と考えます。そのためには、国が継続的に財源を確保することが重要ですが、県として、国にどのような働きかけをしていくのか、伺います。  次に、子供のネット利用に関する問題について伺います。内閣府による令和二年度の青少年のインターネット利用環境実態調査によると、小学生から高校生までのインターネット利用率は九五・八%となっています。また、スマートフォンの利用率は全体の六七・一%となっており、高校生のスマホ利用率は、実に九四・二%に上っております。情報化社会と言われ久しいですが、スマホやタブレットの普及は、子供といつでも連絡が取れる、居場所が把握できる、情報収集が容易にできる、コミュニケーションが取りやすくなる、ITリテラシーの育成などのメリットがある一方、スマホ依存症、集中力の欠如により学力低下の原因になる、視力低下や睡眠障がいなどによる身体への悪影響、個人情報の流出のほか、SNS利用などによるいじめ、危険な出会いや有害サイトへのアクセス、高額課金のトラブルなどのデメリットも危惧されております。  そこで教育長にお尋ねします。本県では、公立の小中高の子供たちをめぐるネット利用実態について調査をされているか、また子供たちをめぐるIT利用に関するデメリットに起因する諸問題について、どのような対策を取られているのか、伺います。  最後に、警察問題として、列車内での凶悪事件の防止策についてお尋ねします。本年十月、都内を走行中の京王線特急列車の車内で、乗客の二十四歳の男が刃物で乗客を切りつけた上、液体をまいて放火し、十八人が重軽傷を負うという事件が発生しました。この事件では、緊急停車した車両のドアとホームのドアが開かなかったため、乗客が窓を開け、ホームのドアを乗り越えて避難する事態となりました。この件について、京王電鉄の担当者は、窓から避難中の乗客がホームドアに足をかけるなどしており、開けるのが危険な状況だったと説明し、やむを得ない判断だったとの見解を示しました。また、この事件を模倣した放火未遂事件も発生しました。先月、熊本駅と新八代駅の間を走行中の九州新幹線下りの車内で、乗客の六十九歳の男が液体オイルを床にまき、紙にライターで着火したというものです。両事件とも、列車という密室で行われた犯行であり、一たび火災を伴えば、乗客がパニックに陥る大変危険な犯罪となります。航空機などでは厳重な手荷物検査などが行われますが、列車などでは現実的ではありません。  そこで警察本部長に伺います。県警察では、今回の事件をどのように受け止め、どのように対応策をお考えになっているのかお尋ねいたします。  以上です。御清聴ありがとうございました。(拍手) 13 ◯議長(秋田 章二君) 服部知事。 *知事答弁 14 ◯知事(服部 誠太郎君)登壇 皆さん、おはようございます。それでは、御答弁を申し上げます。  まず初めに、新型コロナの秋場の急速な感染減少についてお尋ねがございました。第五波では、七月下旬以降、急速に感染が拡大をいたしまして、新規陽性者数は八月中旬から下旬にかけてピークを迎えました後、九月以降は急速に減少をいたしました。この要因といたしましては、感染拡大時に速やかに不要不急の外出自粛や飲食店における営業時間短縮等の要請を実施し、多くの県民の皆様そして事業者の皆様に御理解、御協力をいただいたこと、そしてワクチン接種が若い世代を含め大幅に進んだこと、こういったことが何よりも大きいと考えております。また、連休や夏休みの影響が減少したこと、感染状況や医療の逼迫度などの情報、報道がメディア効果を発揮し、行動変容を起こした可能性があること、こういったものも影響したものと分析をいたしております。  今後の取組についてでございます。県では、第五波の経験を踏まえまして、病床や宿泊療養施設の確保を中心とした医療提供体制のみならず、保健所等による療養調整を含めました総合的な保健医療提供体制を整備するため、先月末、福岡県保健・医療提供体制確保計画を取りまとめたところでございます。この計画では、今後、第五波と同程度の感染拡大が生じ、入院者数が二割増となることを前提といたしまして、大きく次の三つのポイントを中心に保健医療提供体制を強化いたします。  まず、健康観察や検査などの体制につきましては、陽性判明時から速やかにそれぞれの症状に応じた適切な診療が行えますよう、通常時と感染拡大時それぞれのトリアージ基準を改めて整理をし、関係者間で共有をいたしました。また、保健所における健康観察や濃厚接触者に対する検査に目詰まりが生じないよう、外部委託も活用し、感染拡大時におきましても、保健所からの連絡は原則として陽性が判明した当日中に行うことを徹底してまいります。  二点目に、病床の確保につきましては、現在、入院者数が第五波の二割増となった際に必要と想定されます千四百六十床を上回ります千四百八十二床を確保いたしております。引き続きその適切な運用に努めますとともに、さらなる感染拡大に備え、一般医療に極力影響を与えない範囲で病床の上積みを図ってまいります。酸素投与ステーションにつきましては、医療機関の休止病床を有効活用し、現在五十床を確保いたしておりますが、新たに百五十床を加え、最大二百床の確保を目指してまいります。  三点目に、入院以外の治療、療養体制につきまして、宿泊療養施設の追加確保を図り、十二施設計二千四百室の確保を目指してまいります。また、医師や看護師の方が短期間で交代されましても入所者の状態を的確に判断できるよう、観察項目を標準化したクリティカルパスを導入いたします。さらに、感染拡大時には自宅療養者が増えることが想定されますため、自宅療養者の外来受診や往診等に対応可能な医療機関を千機関確保しております。また、中和抗体薬の投与体制強化を図りますほか、経口薬の投与が可能となった際に地域の医療機関で処方が可能となるよう、県医師会及び県薬剤師会と協議を進めているところでございます。  県民の皆様が安心して症状に応じた適切な医療を受け、また療養することができますよう、この計画を着実に推進し、次の感染拡大に備え、万全の体制を整備してまいります。  ワクチンの三回目接種につきましては、二回目の接種から八か月を経過した十八歳以上の方を対象に、今月一日から来年九月三十日までの間、市町村が主体となって実施されます。この三回目接種では、一、二回目に接種いたしましたワクチンの種類にかかわらず、ファイザー社ワクチンとモデルナ社ワクチンのいずれかを接種することになります。国は、両ワクチンを合わせて十分な量を確保しており、来年三月までに本県において使用いたします百七十七万回分につきましては、既に供給スケジュールが示されております。県では、全国知事会を通じ、自治体が希望する量のワクチンを確実に供給すること、長期的かつ具体的な供給スケジュールを示すことを国に要望いたしております。三回目接種における県の役割につきましては、ワクチンの配分調整、副反応に関する相談窓口の設置、接種に係る広域調整や進捗管理などを担うということとされておりますが、接種を円滑に進めるため、これ以外であっても必要な支援は行ってまいりたいと考えております。  次に、未接種者への接種促進についてでございます。十二月六日時点における十二歳以上の二回目接種率は八三・六%でございます。しかしながら、未接種の方もおられますことから、これらの方に接種していただけるよう広報啓発を行っていく必要がございます。未接種者については若年層が多いことから、県では、若年層向けの特設ウェブサイトを開設をいたしまして、イラストや動画によるメッセージを発信いたしますとともに、接種に関する分かりやすい解説やQ&Aを掲載いたしますことで、若年層の接種を促進しております。なお、その際には、ワクチンを接種できない方もおられますことから、ワクチン接種の有無による差別、同調圧力といったものが生じないよう配慮しているところでございます。また、県では接種を受けやすいよう、アクセスに優れた都市部におきまして平日の夜間や休日に接種できる会場を設置し、接種を促進しているところでございます。今後も、未接種の方が受けやすい体制を整えまして、接種を実施をしてまいります。  インフルエンザワクチンの供給状況についてお尋ねがございました。今季は、新型コロナワクチンの製造と時期が重なったため、製造に使用する資材が不足し、メーカーからの出荷が例年より遅れております。県におきましては、医薬品卸売業者からワクチンの販売量について定期報告を求めまして、ワクチンの供給状況について把握をいたしております。メーカーからは順次出荷をされておりまして、十二月中旬にかけて、例年の使用量に相当する程度の量が供給される予定でございます。  次に、インフルエンザの感染予防に向けた取組についてでございますが、県では、これまで手洗い、マスクの着用等を基本とした感染予防対策をホームページ、ツイッター等を通じ県民の皆様に呼びかけてまいりました。これらの予防策は新型コロナの感染予防にも共通いたしておりまして、昨年度は、手洗い、マスクの着用、三密回避等が徹底されたこともあり、インフルエンザの大きな流行は発生いたしませんでした。このことから、新型コロナの感染予防と併せて、先ほど述べました取組の徹底をホームページ、ツイッター等を通じ県民に呼びかけますとともに、小中学校、高等学校と連携をいたしまして、ポスターなどの啓発資材を活用し、児童生徒への手洗い、マスクの着用等の徹底を促してまいりたいと考えております。  新型コロナワクチンの三回目接種との関係についてでございます。新型コロナのワクチンの接種の前後にインフルエンザワクチンなどの他の予防接種を行う場合は、原則として十三日以上の間隔を置くこととされておりまして、他の予防接種との同時接種はできないこととされております。このため、新型コロナワクチンと他のワクチンとの接種間隔につきましては、県のホームページや県だより等を通じ、広く県民の皆様に周知を図ってまいります。  来年度予算の編成に関する基本的な考えについてでございます。私は、誰もが安心してたくさんの笑顔で暮らせる福岡県を目指してまいりたいと考えております。そのためには、まず新型コロナ危機の克服と、災害に負けない強靱な社会づくりを進めていかなければなりません。次の感染拡大に備え、先ほども述べましたが、病床、宿泊療養施設の確保といった医療提供体制だけではなく、保健所等による療養調整を含めた総合的な保健医療提供体制を進めますとともに、コロナ禍で大きな影響を受けました中小企業、農林水産業、観光産業等の振興に取り組み、地域経済を立て直してまいります。また、被災地の復旧、復興に全力を挙げますとともに、流域治水を推進し、防災、減災、県土強靱化に取り組んでまいります。  これからは、世界を視野に未来を見据えて、福岡県を新たな成長発展に導いていかなければなりません。そのため、バイオ、ロボット、宇宙ビジネス、ブロックチェーン、先端半導体、風力発電産業といった先端技術を活用した成長産業の創出を図ってまいります。また、本県の経済、雇用を支えていただいております中小企業や農林水産業の振興を図るため、デジタルトランスフォーメーションを推進し、生産性を向上させてまいります。こういったデジタル社会を支えるインフラとなります大規模データセンターの誘致を進めますとともに、産業人材の育成にも力を入れてまいります。さらに、次の新興感染症に備えまして、福岡宣言の地として、ワンヘルスセンターの整備や世界トップクラスの研究者による国際会議の開催などの取組を加速させてまいります。こうしたこれからの本県の発展を担うのは人でございます。県内どこでも充実した教育が受けられる環境を整えますとともに、夢に向かってチャレンジする青少年を応援いたしますため、外国語能力の向上に向けた取組を進めてまいります。また、自らが生まれ育った地域に誇りを持ち、地域の未来を担う人材を育てる取組を県内各地に広げていきたいと考えております。将来の発展基盤の充実も重要でございます。福岡空港の滑走路の増設、北九州空港の滑走路の延長、高規格道路の整備や地域に雇用を生み出す産業用地の造成など、発展の基盤となる社会資本の整備に向けた取組を着実に進めてまいります。このような取組を進めながら、地方創生の基本でございます住み慣れたところで働く、長く元気に暮らす、子供を安心して産み育てることができるジェンダー平等の地域社会づくりに取り組んでまいります。なお、予算編成に当たりましては、施策の必要性や費用対効果等をしっかり検証した上で、限られた財源を効果的に活用してまいる考えでございます。  県税収入の見通しについてでございます。今年度当初予算では、新型コロナの影響及び国の税制改正による影響額等を勘案しまして、昨年度決算比で九六・八%、二百二億円減の総額六千百二十億円を計上しております。十月末現在の県税収入の実績を見ますと、法人二税、地方消費税が堅調に推移をしておりますことから、県税全体といたしましては前年度同月比一〇六・二%となっておりまして、現時点では当初予算を上回る水準で推移をいたしております。しかし、新たな変異株の動向など感染状況による下振れリスクもございますことから、今後とも経済情勢を注視しつつ、十一月における法人二税の中間申告の状況などを注意深く見極めていきたいと考えております。また、来年度の県税収入につきましては、今月中旬に実施いたします県内主要企業に対する申告見込額調査を踏まえますとともに、今後の景気動向、来年度の税制改正の状況、地方財政計画を勘案して算定してまいります。  県債の安定的な発行についてお尋ねがございました。県債の発行に当たりましては、将来の金利負担を考慮して、できる限り有利な条件で、そして安定的な調達に努めております。市場公募債につきましては、五年債や十年債に加え、十五年債や二十年債など、債権マーケットにおける投資家の需要に対応した県債を発行してまいりましたほか、IR活動により、本県の財政の健全性や将来性などを説明してまいったところでございます。また、今年度からは、これまで特定の月に発行しておりました市場公募債につきまして、債権の需要や金利状況に応じ機動的に発行することとし、より有利な条件での調達を図っております。こういった取組によりまして安定的に資金を調達しているところでございますが、今後も、マーケットのニーズを捉え、安定かつ有利な調達に努めてまいります。  新型コロナ対策予算と今後の財政負担についてでございます。県では、これまで新型コロナ対策として、現在提案中の十二月補正予算を含めまして、一兆四千三百三十四億円を措置しております。財源内訳は、臨時交付金や包括支援交付金などの国庫支出金が九千八百八十八億円、制度融資の預託金に係る諸収入や県債などが四千三百七十五億円、県税などの一般財源七十一億円となっております。このうち、後年度負担が生じます県債につきましては、その大部分が中小企業向け制度融資枠拡大のための貸付金に充てたものでございまして、その償還金を財源として返済いたしますことから、追加の財政負担が生じるものではございません。しかし一方で、財政調整等三基金を取り崩しコロナ対策の財源に充てておりまして、コロナの影響に伴う県税収入の減少と相まって、三基金の残高は令和二年度末で平成以降最少の三百十五億円となるなど厳しい状況にございます。引き続き計画的に財政健全化を進め、地域経済を立て直し、そしてさらに成長させていくことによりまして税源を涵養し、基金残高の回復を図ってまいりたいと考えております。  安定した自治体運営のための財源確保についてでございます。地方自治体が自ら地域の実情に応じて創意工夫を凝らし、自主的、主体的に取組を進めていくためには、その基盤となる財源の確保が何より大切でございます。このため、地域経済の活性化、雇用対策、防災、減災対策など恒常的な経費につきまして、地方の実情に沿ったきめ細かな行政サービスを実施できるよう、その財政需要を国の地方財政計画に的確に反映させ、地方一般財源総額を確保する必要がございます。また、持続可能な地方財政のためには、地方交付税振替措置として発行を余儀なくされております臨時財政対策債は抑制されるべきものと考えております。このため、引き続き国に対し、地方一般財源総額の確保と併せまして、地方交付税の法定負担率の引上げを含め、抜本的な見直しを要望してまいります。同時に、地方自治体自身も、財政改革による財源確保の努力が必要でございます。本県におきましても、財政改革プランに沿い、歳入歳出両面からの改革措置を講じることで、計画的に財政健全化を進めております。また、将来の産業や経済発展のための種をまき、芽を育てていくことで税源を涵養することが重要でございます。政府は、新しい資本主義という成長戦略を掲げておりまして、これを県の施策に効果的に活用することで、本県の新たな成長発展につなげ、安定した財政基盤を確立していきたいと考えております。  県内の市町村の財政状況についてお尋ねがございました。昨年度の県内市町村の普通会計決算は、歳入歳出ともに対前年比で三割以上増加をいたしまして、過去最大の規模となっております。その主な要因は、特別定額給付金事業をはじめとする新型コロナ対策の実施により、歳入としての国庫支出金及び歳出としての補助費等が大幅に増加したことによります。経常収支比率の平均は、対前年比で〇・七ポイント改善し、九二・六%となりましたが、依然として財政構造は弾力性に乏しい状況にございます。しかしながら、地方公共団体財政健全化法における早期健全化基準に該当するような市町村はなく、財政の健全化は確保されていると考えております。県内市町村財政調整基金は、新型コロナウイルス感染症拡大前の平成三十年度末時点では約千九百七十八億円でございました。その後、一昨年度末時点で約一千九百二十四億円まで減少いたしましたが、昨年度末時点では約千九百八十九億円となりまして、三十年度末時点を上回っている状況でございます。これは感染症の拡大に伴いまして、市町村が当初予定していた事業を縮小し、歳出不用額が発生したことが主な要因であると考えております。  新型コロナウイルス感染症の県内市町村財政への影響についてでございます。今年九月末現在の市町村税の収入済額は、昨年度と比較いたしますと、半数近くの団体において、企業業績の下振れなどにより減少をいたしております。そのような団体におきましても財政調整基金は確保されており、また税収の減少分については、普通交付税でも一定割合は補填をされます。さらに、当初の見込み以上に地方税の減収が見込まれる場合には、景気の変動を受けやすい税目を対象として減収補填債の発行も可能となっております。したがいまして、県内市町村において、住民サービスに影響が生じるような団体はないものと考えております。また、市町村が行います新型コロナ対策の経費につきましては、昨年度創設されました臨時交付金で対応することとされておりまして、今回の経済対策におきましても、地方単独分一兆二千億円が措置されたところでございます。県といたしましては、国に対し、臨時交付金の追加配分など必要な財政措置を講ずるよう、また昨年度に引き続き減収補填債の対象税目の拡大を継続するよう要望を行っております。今後とも、市町村の安定的な財政運営に必要な財源の確保が図られますよう、知事会と連携を図りながら、国に対し要望してまいります。  岸田政権の目指す新しい資本主義についてお尋ねがございました。新しい資本主義とは、持続可能性や人を重視し、新たな投資や成長につなげるものとされております。政府は、成長戦略によって生産性を向上させ、その果実を働く人に賃金の形で分配することで、広く国民の所得水準を伸ばし、次の成長を実現していく成長と分配の好循環の実現を目指しております。この成長戦略では、デジタル、グリーン、バイオ、宇宙など先端科学技術の研究開発、実証やデジタルトランスフォーメーションの推進、農林水産業の成長産業化の推進、次世代データセンターの地方分散、最適配置の推進などが盛り込まれております。これらは成長産業を創出し、新たな県の発展につなげていくという本県の目指す方向に合致するものでございます。私は先月、北海道、和歌山、大分の知事と一緒に岸田総理とお会いをいたしまして、衛星コンステレーションの構築など宇宙ビジネスの本県の取組を紹介をいたしまして、国の支援を要望をいたしました。岸田総理は、宇宙産業が地方にとっても大きなエネルギーや起爆剤となる時代が来ているとの認識を示され、自治体の取組を後押ししていく意向を示されました。このように本県が世界を視野に未来を見据えて成長し、発展するため、新しい資本主義の実現に向けた政府の取組を県の施策に効果的に活用してまいりたいと考えております。  岸田政権の経済対策についてでございます。このたび決定されました経済対策は、成長と分配の好循環とコロナ後の新しい社会の開拓をコンセプトとした新しい資本主義の考え方に基づきまして、新型コロナウイルス感染症の拡大防止、ウイズコロナ下での社会経済活動の再開と次なる危機への備え、未来社会を切り開く新しい資本主義の起動、防災、減災、国土強靱化の推進など安全、安心の確保、この四つを柱といたしております。岸田政権としていち早く打ち出されたこの経済対策は、まさにコロナで疲弊した経済の下支えとなり、実質GDPを押し上げる効果が期待できる規模となっております。また、交付金の大幅な増額など地方への配慮もなされております。この経済対策の裏づけとなる国の補正予算の審議が一昨日から国会で始まったところでございまして、本県におきましても、現在これを最大限活用した補正予算の編成を鋭意進めております。早急に取りまとめまして、今議会中に提案させていただきたいと考えております。  次に、成年年齢引下げに係る取組についてお尋ねがございました。この成年年齢の引下げによりまして、十八歳、十九歳の若年者は、親の同意を得ずにクレジットカードを作るなどの契約を一人で締結できるようになりますほか、住む場所を自分の意思で決めたり、公認会計士などの国家資格を取得することができるようになります。しかし一方で、契約については、十八歳、十九歳の若年者が未成年者取消し権を使えなくなりますため、消費者トラブルに巻き込まれることが懸念されるところでございます。県では一昨年度から、県立高校を中心に、高校や大学、専門学校に消費生活相談員、弁護士、司法書士を派遣し、消費者トラブルの具体的な事例、対応方法を啓発いたします若年者向け講座を開催しております。先月までに三百六十三回開催をいたしまして、八万四千人を超える若者に受講していただいております。また今年度は、若年者の消費者トラブルを防止するためのアニメーション動画を新たに作成いたしました。これをこの講座で活用いたしますほか、県ホームページに掲載し、注意喚起に努めているところでございます。  次に、農政問題につきまして、有機農業の現状と取組についてでございます。農薬や化学肥料を使わない有機農産物は、昨年度、お米やお茶を中心に、県内では約九十ヘクタールで栽培が行われております。こうした有機農業は一定の消費者ニーズがございますが、一方で、除草などに要する労働時間が長いことや、品質、収量が安定しにくいといった栽培上の特徴、課題がございます。このため県では、普及指導センターにおきまして、有機栽培に取り組む生産者の要請に応じ、効果の高い防虫ネットの選定でありますとか、有機肥料の効果的な施用時期などの指導を行っているところでございます。また、国の環境保全型農業直接支払交付金を活用いたしまして、十アール当たり一万二千円の支援を実施をいたしております。国は、みどりの食料システム戦略におきまして、二〇四〇年までにAIによる病害虫発生予察や病害虫抵抗性を有する有機栽培に適した品種の育成といった技術革新を図ることといたしております。県といたしましては、こうした技術革新の動向も踏まえながら、有機農業の指導に努めてまいります。  鳥インフルエンザへの対応についてでございます。鳥インフルエンザは、感染力が強い家畜伝染病でございますため、発生予防、そして迅速、的確な初動防疫が重要な対策となります。このため県では、発生予防対策といたしましては、今年も流行期に入る十月から、全ての養鶏農場に対して、人、車両の消毒、立入り制限などを定めた飼養衛生管理基準の遵守を指導いたしております。さらに、大規模農場に対しましては、鶏舎ごとに衛生管理者を配置させるなど、早期通報や迅速な防疫対策を徹底いたしております。また、迅速、的確な初動防疫、これを行いますため、防護服やゴーグルなどの防疫作業に必要な資材の備蓄数量を拡大いたしております。加えて、糸島市におきまして、県の獣医師会、県トラック協会などの関係団体や市町村と連携し、県域の防疫演習を開催いたしますとともに、現地対策本部でございます六つの農林事務所におきましても演習を実施し、迅速に取り組める体制を構築いたしております。  こうした中で、今月二日、熊本県の南関町で鳥インフルエンザを疑う事例が発生しました。このため、同日直ちに福岡県高病原性鳥インフルエンザ対策本部会議を開催をいたしまして、県内へのウイルスの侵入を防止するために、直ちに県内全ての養鶏農家に異常の有無を確認するとともに、注意喚起を行い、飼養衛生管理基準の徹底を指示いたしました。また、翌三日未明には、鳥インフルエンザであるということが確認されましたので、熊本県と協議し、みやま市に消毒ポイントを設置いたしました。さらに、庁内関係部署や畜産関係団体から成る緊急防疫対策会議を開催し、発生状況を説明いたしますとともに、防疫対策の徹底を要請いたしました。加えて、県内全ての養鶏農家に対し、消毒用の消石灰を配付いたしております。  最近では、千葉県、埼玉県、広島県でも発生するなど、国内のどこで発生しても不思議ではなく、最大の警戒を要する状況となっております。今後とも、県内での発生防止に向け、緊張感を持って対応をしてまいります。  次に、農業水利施設長寿命化対策についてお尋ねがございました。近年の激甚化、頻発化する豪雨など災害によるリスクを低減していくためには、建設後長期間が経過し、老朽化が進んでいる農業水利施設の機能を適切に維持していく必要がございます。このため県では、使用開始から十年以上経過した水路や排水機場など基幹的農業水利施設四百二十九か所のうち四百二十五か所につきましては、点検、診断を行い、機能保全計画を策定をいたしました。残る四か所につきましては、今年度末までに機能保全計画を策定する予定でございます。機能保全計画を策定いたしました施設におきましては、市町村や土地改良区など関係者と協議した上で、水路のひび割れ補修や排水機の部品交換といった必要な対策を実施いたします。また、小規模な施設の補修、更新につきましては、市町村や土地改良区といった管理者に対し、県単独事業を用いて支援を行っているところでございます。今後とも、適切な時期に適切な対策を実施していくなどによりまして、農業水利施設の機能を維持し、被災リスクの低減を図るための長寿命化対策に取り組んでまいります。  次に、交通安全対策につきまして、高齢運転者の事故防止に係る取組についてお尋ねがございました。高齢の運転者は、加齢に伴う身体機能の変化や認知機能の低下により交通事故を起こすリスクが高まるということを高齢運転者をはじめ県民の皆様に御理解をいただき、事故防止に努めていただくことが重要と考えております。このため県では、今年度、市町村や県と包括協定を締結しております自動車販売店グループと連携をいたしまして、安全運転サポート車の機能を体験する試乗会を大牟田市など四市で五日間開催をいたしました。国では、高齢運転者対策の充実強化を目的とし、安全運転サポート車限定免許の創設などを来年五月に予定しておりますことから、今後、より多くの試乗会が開催されますよう市町村に働きかけ、安全運転サポート車の普及を図ってまいります。また、加齢に伴います運転技能の低下を補うために、体調や天候、道路状況を考慮し、安全な運転を心がける、いわゆる補償運転というものがございます。この補償運転につきまして、年四回の交通安全県民運動の際に、この補償運転について記載したチラシやリーフレットを市町村、老人クラブ、地域婦人会等を通じ配布をいたしますとともに、新聞やラジオ、本県ホームページなど様々な媒体を活用して広報いたしますことで、県民にこの補償運転について周知を図っているところでございます。引き続きこうした取組を行っていくことによりまして、高齢運転者の事故防止に取り組んでまいります。  通学路の緊急合同点検の経過と今後の対策についてでございます。県では、今年六月の千葉県八街市の交通事故を受けまして、国の指示を待つことなく、七月五日には学校、道路管理者、警察等と連携をし、通学路の緊急合同点検を実施することを決定し、関係機関に点検を指示いたしました。その後、国からは、道路が狭い、見通しが悪いなどの従来の点検に係る観点に加えまして、見通しがよく車の速度が上がりやすい、あるいは幹線道路の抜け道になっていて大型車の進入が多いなど、今回の事故を踏まえた新たな観点が示されましたので、その内容に従った点検を行うよう追加の指示をいたしました。先月末までに危険箇所についての合同点検が終了し、関係者間で安全上の課題を整理しているところでございますが、現在のところ、延べで二千三百六十か所について対策が必要であると判断をいたしております。こういった箇所につきまして、まず学校では、決められた通学路を守って登下校するなどの安全教育、道路管理者では、運転者に注意を呼びかける路面標示の設置を、警察では、交通指導取締りなど速やかに実施できる対策に着手をいたしております。併せて、通学路の変更や見守り活動の見直し、路側帯のカラー舗装化やガードレール、歩道の整備、横断歩道や道路標識の整備などを可能な限り早期に実施することといたしております。引き続き、関係機関が連携し、ハード、ソフトの両面から必要な対策を着実に進めてまいります。  COP26の成果に対する認識についてでございます。イギリス・グラスゴーで開かれましたCOP26では、今後の気温上昇に関する目標や国際排出枠取引などにつきまして、約二週間に及ぶ議論が行われました。我が国からは岸田総理が出席し、二〇三〇年までの期間を勝負の十年と位置づけ、野心的な気候変動対策を呼びかけられました。最終的に、今後の気温上昇について、パリ協定で今世紀末までの世界の平均気温の上昇を産業革命前の水準から二度未満に抑えるとパリ協定ではされておりましたものを、今回のCOP26では、この二度未満を、一・五度以下に抑えること、これを世界の共通目標として位置づけること、それから国際排出枠取引におけるルールなどにつきまして、全ての参加国による合意がなされたところでございます。全ての参加国が合意したという意義は大きく、世界全体で気候変動対策を進めていく上で大きな成果であると考えております。  これまでの県の温室効果ガス削減の取組とその成果についてでございます。本県におきましては、平成二十九年三月に策定いたしました福岡県地球温暖化対策実行計画に基づきまして、省エネ対策、再生可能エネルギーの導入促進、水素エネルギーの利活用の促進などに取り組んでまいりました。まず、省エネ対策といたしましては、家庭向けには、省エネ、省資源に取り組む家庭を支援いたしますエコファミリー応援事業を実施いたしております。また、事業所に対しましては、エコ事業所として登録をいたしまして、県の競争入札参加資格における加点や、模範となる事業所の表彰を行いますほか、省エネ相談、省エネ講座なども実施をいたしております。再生可能エネルギーにつきましては、県有施設への導入や、日照時間、風速など適地に関する情報を提供いたします再生可能エネルギー導入支援システムの運用、市町村及び民間事業者への導入支援などに積極的に取り組みまして、再エネ導入容量の拡大を図ってまいりました。加えまして、水素エネルギーの利用として、燃料電池自動車やエネファームの普及促進のほか、再生可能エネルギーの余剰電力から水素を製造、運搬、利用する実証事業を行っているところでございます。こういった取組の結果、最新の二〇一八年度の福岡県の温室効果ガス排出量でございますが、五千三百九万トンとなっておりまして、基準年度でございます二〇一三年度の六千四百二十二万トンに比べますと千百十三万トン削減をされております。これは一七・三%の減少となっており、五年連続での減少でございます。また、全国の削減率一二・〇%を上回る削減率となっているところでございます。  今後の県の温室効果ガス削減の取組についてお尋ねがございました。本県におきましては、国の目標に合わせ、二〇三〇年度の温室効果ガス排出量を二〇一三年度と比べ四六%削減することを目標とし、地球温暖化対策実行計画の改定作業を進めておりまして、現在、この計画に係る環境審議会の答申案についてパブリックコメントを実施しているところでございます。この目標は、現行の目標を大きく引き上げるものでございまして、これまで以上の努力が求められます。このことから、エネルギーをはじめ産業や県民生活に関わるあらゆる分野で取組を一層強化する必要がございます。このため、新たな実行計画には、洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入の促進や水素エネルギーの利活用、電気自動車の普及、家庭や事業所における省エネ設備の導入促進などの様々な分野において具体的な施策を盛り込むことといたしております。県民、事業者の皆様と共にこれを着実に推進することによりまして、この温室効果ガス削減目標の達成と二〇五〇年のカーボンニュートラルを目指してまいります。  次に、商工問題につきまして、県制度融資の実績及び返済が開始される事業者に対する支援についてお尋ねがございました。緊急経済対策資金を含みます県制度融資全体の今年十月末時点の貸付残高は約六万三千七百件、八千七百八十億円でございまして、これは国が政府系金融機関等に新型コロナの相談窓口を設置する前の一昨年十二月と比較しますと、件数では二・六倍、金額では四・八倍となっております。また、資金繰りが厳しい事業者に対する支援といたしまして、現在、返済期間や据置期間の延長といった返済条件の緩和措置を取っております。具体的には、来年三月三十一日までに金融機関等の承認が得られれば、通常は貸付期間十年、据置期間二年のところを、いずれも最長で三年間延長できることといたしております。今後も、新型コロナの影響を勘案し、金融機関等による承認の期限の延長を検討してまいりたいと考えております。併せまして、制度融資取扱金融機関や信用保証協会に対し、事業者からの返済条件変更の相談に対しては柔軟な対応を行うよう要請をし、応じていただいているところでございます。  環境の変化に対応する中小企業への支援策についてでございます。県では、中小企業の新たな事業展開を支援いたしますため、県内四地域に設置いたしております地域中小企業支援協議会におきまして、経営革新計画の策定支援に地域を挙げて取り組んでおります。現在、自動車整備業者の方による自社開発のキッチンカーを使用したホルモン焼きの移動販売でありますとか、フランス料理店の方による真空包装機を導入した洋風お節の開発など、事業者の皆さん自らの創意工夫による新たな挑戦が多数出てきております。昨年の四月からこれまでに千九百十八件の計画を承認をし、その実行を支援をいたしております。また、業態転換等の取組を支援いたします国の事業再構築補助金につきましても、地域中小企業支援協議会におきまして、専門家による事業計画の作成セミナーや個別相談といった支援を行っているところでございまして、今年度、既に千百二十件が採択をされております。今後とも、地域中小企業支援協議会を軸に、意欲ある県内の中小企業の皆様に、新たな事業展開を支援してまいります。  事業承継の現状、課題と支援についてでございます。県では、商工会議所、商工会、国の福岡県事業承継・引継ぎ支援センターなどの関係機関で構成いたします福岡県事業承継支援ネットワークによりまして事業承継診断を実施をし、県内中小企業における事業承継の意識醸成、また事業承継ニーズの把握に取り組んでおります。昨年度までに約一万六千件の診断を実施をいたしました。この結果によりますと、後継者の候補が決まっていない、あるいは後継者が決まっているにもかかわらず事業承継の準備に着手していないという事業者は六七%となっておりまして、後継者候補の選定をはじめ事業承継に向けた具体的な行動を促すことが課題であると考えます。このため、商工会議所や商工会の経営指導員が日常的に巡回訪問を行っておりますが、この中で、六十歳以上の経営者の皆さんに対し、事業承継に関して準備を進めるよう働きかけを行っております。また、税理士、中小企業診断士などの専門家を派遣をいたしまして、承継の時期、財務改善などの経営上の課題への対応について盛り込みました事業承継計画の作成の支援を行っております。事業承継の準備に向け、新たな取組を行う事業者に対しましては、県独自の補助金により支援を行っております。さらに、非上場株式等に係る贈与税、相続税の後継者負担が実質ゼロになります事業承継税制につきまして、税制による支援が必要な事業者が来年度末の申請期限内に特例承継計画が策定できますよう促しているところでございます。今後も、こうした取組により、県内中小企業の事業承継を進めてまいります。  国のゴー・トゥー・トラベル事業と本県の施策との連携についてでございます。国が先月発表いたしました新たなゴー・トゥー・トラベル事業では、ワクチン・検査パッケージの活用、平日における地域共通クーポンの上乗せ、割引率、割引上限額の引下げといった見直しが行われます。この事業は、安全、安心な旅行の確保、また休日や高価格帯の旅行需要の平準化を図っておりまして、観光産業の需要回復につながるものと評価をいたしております。この国のゴー・トゥー・トラベル事業が再開いたしました際には、昨年度の二月補正予算を活用いたしまして、県民に限りゴー・トゥー・トラベル事業との併用を可能とする新たな宿泊助成事業を実施し、県民の皆様の県内旅行を促してまいる考えでございます。さらに今月から、観光PR動画、ふくおか避密の旅をANAやJALなどの航空機の機内での放映、関東、関西圏を中心とするJR主要駅におけるデジタルサイネージ広告、テレビCMやSNSや動画共有サイトなどで情報発信をすることによりまして、全国の方に本県の新しい魅力を届け、今後再開されますゴー・トゥー・トラベル事業を活用して福岡県に旅行しようというお客様を増やしてまいりたいと考えております。  飲食店の客足回復についてでございます。飲食店の皆様には、度重なる緊急事態宣言等により休業や時短営業に御協力をいただいたことに、心より感謝を申し上げます。コロナ禍で遠のいた飲食店の客足を回復させることは重要な課題であると考えております。このため、県民の皆様に飲食店を安全に、安心して利用していただけますよう、県が定める感染防止対策の基準を全て満たしている感染防止認証店の拡大を図っているところでございます。併せまして、県ホームページ内に、市町村やレストラン、居酒屋などの区分で認証店を検索することができる特設サイトを開設をいたしまして、利用者の皆様への情報発信、誘客を図っているところでございます。また、飲食店への需要喚起を図るため、休業や時短要請が解除されました十月十五日からゴー・トゥー・イート・キャンペーンを再開をいたしました。現在、今月末までとなっている食事券の利用期間につきまして、延長を検討しているところでございます。さらに、各地域におけるプレミアムつき地域商品券の発行支援を行いますことで、関連業種を含め、広く需要の喚起を図っているところでございます。このほか、新たな顧客の開拓を図る飲食店に対しては、新メニューの開発、あるいは屋外の飲食スペースの設置、こういった新しい取組を経営革新計画の策定と実行により支援をしておるところでございます。  コロナ禍における飲食店のシェアレストランの取組についてお尋ねがございました。飲食店の空き時間を活用して利用者に貸し出す、いわゆるシェアレストランにつきましては、事業継続に必要な収入を確保するための新しい取組の一つであると認識をいたしております。飲食店がこうした新しいビジネスを行うに当たりましては、店舗の所有者の許可の取りつけ、転貸契約の締結、事故に備えた保険加入など様々な課題がございます。これらの課題に対しましては、福岡県中小企業振興センターにおける弁護士や宅地建物取引士の無料相談の活用によりまして法務面、経営面などのきめ細かな支援を行い、飲食店の事業継続を後押ししてまいる考えでございます。  次に、キャンピングカーによる観光振興についてでございます。議員御指摘がございましたように、朝倉市におきましては、寄贈されたキャンピングカーを活用し、あさくら観光協会が平時にレンタカー事業を実施をしておられます。気候のよい週末を中心に市内外の方から利用されておりまして、コロナ禍においても安心してアウトドアを楽しめたといった声が寄せられるなど好評であると伺っております。新型コロナの影響により旅行者の安全、安心を求める意識が向上いたしまして、三密を避ける観点から、自然豊かな地方部を少人数で観光するスタイルへと変化が見られます。今後、専用駐車場などの受入れ環境の整備が進めば、キャンピングカーによる旅行が広がっていくのではないかと考えているところでございます。  このキャンピングカーの災害時の活用についてでございます。キャンピングカーは、大規模災害時において、御質問にありました用途に加え、避難所での集団生活が困難な要配慮者がいる御家族の避難所、あるいは医療従事者による避難所での巡回診療、こういったことで活用できると考えられます。また、被災した市町村や近隣県に応援職員を派遣するに当たりまして、移動手段と宿泊場所を同時に確保できるというメリットもあると考えられます。一方で、災害時には多くの避難所が設置をされますため、必要な台数を確保できない場合、避難されている方の間で不公平感が生じるといった運用面での課題があると考えております。このために、過去の災害におけるキャンピングカーの活用事例といったものを調査した上で、県内でのキャンピングカー供給可能台数、あるいは市町村の意向、こういったものを確認するなど、災害時の活用について研究をしてまいりたいと考えております。  貨物集荷に直結する港湾整備についてお尋ねがございました。三池港におきましては、コンテナ貨物の集荷を図り、利便性を向上させるため、平成二十八年度から、公共埠頭用地二・二ヘクタールの整備を進めまして、一昨年度までに全体で六・五ヘクタールに拡張をし、運用をいたしております。また、船舶の安全な運航が確保できますよう、毎年度継続して航路のしゅんせつを実施いたしますほか、平成二十年度から、海砂の移動を抑制する防砂堤の改良工事を実施しております。併せまして、地域の物流拠点としての機能強化を図るため、有明海沿岸道路の三池港インターからつながる臨海道路の整備に平成三十年度から取り組んでいるところでございます。  近年の取扱貨物量の推移と今後の見通しについては、三池港の取扱貨物は、石炭、化学製品などの一般貨物とコンテナ貨物がございます。一般貨物の取扱量につきましては、過去五年間において、大体年間二百万トン前後で推移をいたしております。一方で、コンテナ貨物の取扱量につきましては、韓国、中国、東南アジア地域を中心に、特に家具関連の貨物が増えましたことに伴いまして、六年連続で増加をいたしております。昨年には、二十フィートコンテナ換算で一万九千二百十一個と過去最高を記録したところでございます。今後の取扱貨物量につきましては、原油高の影響による海上運賃の高騰など不確定要素がございますものの、三池港に隣接をいたしておりますバイオマス発電所が二基目を建設をいたしておりまして、供用後には、発電燃料の取扱貨物量が増加する見込みもございます。引き続き取扱貨物量の増加に向け、なお一層の利用促進に取り組んでまいります。  この三池港のポートセールス活動の状況とコンテナ定期航路の将来展望についてでございます。三池港の港湾管理者でございます県は、国や大牟田市、地元の経済団体等と構成をいたしておりますマイポートみいけ利用促進協議会、この協議会を通じまして、助成制度のPRや運用などのポートセールス活動を行っております。具体的には、貨物の集荷増大を図りますために、三池港の周辺地域にございます化学製品の関連会社や大川市周辺の家具関連会社など三池港国際コンテナ航路を利用する荷主企業に対し、利用貨物量に応じた助成を行っております。また、コンテナ貨物の新規定期航路の誘致を図るため、先ほど申し上げました荷主企業への助成に加え、船会社に対する引き船料や水先人料に対する助成も行っているところでございます。さらに県といたしましては、輸送コストの削減を図るため、昨年度から、大型コンテナ船の夜間の出港が可能となるよう、入出港基準の見直しに着手をいたしております。今後も、このような利用時間の拡大を進めるなど三池港の競争力を向上させる取組を進めまして、新規定期航路の誘致に努めてまいります。 15 ◯議長(秋田 章二君) 吉田教育長。 *教育長答弁 16 ◯教育長(吉田 法稔君)登壇 県立高校入試における新型コロナウイルス対策についてでございます。各試験会場では、小まめな換気や座席の間隔の確保など、志願者が安全、安心に受験できる環境づくりを行うこととしています。また、新型コロナウイルスに感染するなど、やむを得ない理由により受験できない志願者が受験機会を失することがないよう、昨年度同様、追検査の日程を設定をしております。なお、入試を控えている受験生が努力の成果を十分に発揮できるように、日頃から、毎朝の検温、手洗い、手指消毒及び身体的距離の確保や体調管理の重要性について、各中学校を通じ、生徒、保護者に文書で周知をしております。  次に、主権者教育の現状認識と課題についてでございます。県立高校では、全校で公民科を中心に議会制民主主義の意義や望ましい政治の在り方、政治参加の重要性などについて学んでおります。昨年度は、主権者教育を行うに当たって、模擬選挙や模擬議会、議会傍聴などの実践的な活動を実施した学校が六十六校あり、選挙管理委員会や市町村議会、地方公共団体と連携した学校が五十八校となっております。こうした取組により、知識の習得のみならず、社会の構成員として、地域の課題解決を担う力が育成されているものと認識をしております。なお、現状では、選挙における若年層の投票率がほかの年代に比べて低いことから、県立高校における取組をさらに充実させ、実際の投票行動につなげていくことが課題であると考えております。  今後の主権者教育の取組についてでございます。県立高校では、来年度から必修となる新科目公共において、主権者教育の一層の充実を図るとともに、主権者として求められる力を育成していくため、教科横断的な授業を行ってまいります。また、文部科学省や総務省が作成した副教材や総務省の主権者教育アドバイザー制度を活用するとともに、NPOやPTAとの連携も進めてまいります。県教育委員会としましては、各学校に配置している主権者教育推進リーダーに対する研修により指導力の向上を図りますとともに、優れた取組や指導方法を普及することで、主権者としての自覚を高める教育活動を充実させてまいります。  成年年齢引下げに伴う消費者教育の取組についてでございます。県立高校では、現在、家庭科そして公民科を中心に消費者教育を行っております。また、消費者被害の未然防止を図る観点から、知事部局と連携をした啓発講座を一昨年度は九十二校、昨年度は八十六校で実施し、今年度は八十三校で実施する予定でございます。来年度からは、新しい学習指導要領に沿って、契約の重要性や消費者保護の仕組みに関する内容について、指導の一層の充実を図ってまいります。また、消費者庁が作成した教材や福岡財務支局が行う講師派遣事業、文部科学省の消費者教育アドバイザーを活用するとともに、教員向け研修会を実施して、消費者教育のさらなる充実に取り組んでまいります。  成年年齢引下げに伴う法教育の取組についてでございます。県立高校では、現在、公民科の科目である現代社会において、法や司法制度、またこれらの基礎となっている価値を理解し、法的な物の考え方を身につける、いわゆる法教育を行っており、来年度からは、必履修となる新科目公共に引き継がれます。裁判員制度や検察審査会制度の内容や重要性については、この公共の中で取り扱いますが、法務省の教材を活用したり、弁護士会などの外部機関の協力を得たりしながら、生徒が司法参加を主体的に理解し、判断できるよう、指導の工夫を図ってまいります。  次に、県内の公立小中学校における一人一台端末の整備状況及び活用状況についてでございます。公立小中学校につきましては、昨年度中に、全ての市町村において一人一台端末が整備されております。整備された端末については、例えば算数科の授業で、個々の習熟度に応じた説明動画を見た上でドリル問題に取り組んだり、体育科の授業で、自分の運動の様子を撮影した動画を見返して改善をしたりする、そうした活動が行われております。また、端末を家庭に持ち帰ってダウンロードした教材に取り組んだり、次の授業に関連する動画を視聴したりといった宿題が出されております。  臨時休業時の学びの保障についての考え方及び自宅にネット環境が整っていない場合の対応についてでございます。臨時休業時におきましては、まずは学校と児童生徒との関係を維持することが重要でありまして、一人一台端末を活用したオンラインでの学習や朝の会など様々な方法により、学習の継続や心身の状況等の把握に努めることが必要であると考えております。また、自宅にネット環境が整っていない場合には、あらかじめ端末に学習ソフトや教材などをダウンロードし、ネット環境がなくても活用できたりするようにするほか、学校や公共施設のネット環境を提供したり、プリント等の配付や電話連絡をしたりするなど多様な方法により、学びの保障が図られているところでございます。  県内公立小中学校の通信環境の改善についてでございます。ICTを活用した効果的な授業を展開していくためには、ネットワーク通信環境の整備が必要でございます。このため、市町村教育委員会に学校の実態に対応した環境の整備を促すとともに、確実な環境の維持更新が図られますよう、国の補助金による財政支援を要望しているところでございます。今後とも、必要な財源の継続的な確保について、要望を続けてまいります。  子供のネット利用に関する問題についてでございます。本県において昨年度実施をした青少年の健全育成に関する県民意識等調査によりますと、平成二十八年度の前回調査と比べて、スマートフォンの所有率や平日の学校以外でのインターネットの利用時間が小中高校生いずれも増加をしております。また、インターネットの利用目的としては、メールやSNS、動画視聴の割合が大きく増加をしております。このような実態を踏まえ、県教育委員会では、SNSに起因する被害の防止やネットいじめ、ネット依存などについて、学校で児童生徒と保護者が共に学ぶ際に専門家を派遣するなどの支援を行っております。また、学習活動における端末利用に当たっての児童生徒の健康への配慮に関する啓発リーフレットを本年四月に県内全ての公立小中高、特別支援学校に配付をし、学校及び家庭に対する注意喚起を行っております。今後とも、家庭と連携を図りながら、教育活動全体を通してインターネットを適切に利用するモラルや能力の育成に努めてまいります。 17 ◯議長(秋田 章二君) 藤井選挙管理委員会委員長。 *選挙管理委員会委員長答弁 18 ◯選挙管理委員会委員長(藤井 克已君)登壇 まず、総選挙における全体的な総括でございます。県内の全体の投票率は五二・一二%と、過去の総選挙における投票率のうち二番目に低い結果でございました。このうち十代及び二十代の投票率については、十代で三八・七一%、二十代で三〇・一四%と、全体に比べて低い状況でございます。県選挙管理委員会では、若者に政治や選挙を身近に感じてもらうため、高校、大学への出前授業、また地元タレントが出演するインターネットを活用した啓発イベント等を行っております。こうした取組と投票率との因果関係について分析することは困難ですが、若年層が県全体の投票率よりも低い現実は真摯に受け止め、今後とも、投票率向上のため、効果的な向上策を検討してまいります。  次に、期日前投票についてです。県選挙管理委員会では、投票日当日の混雑を避けるため、期日前投票の積極的な活用を呼びかけております。十月の総選挙では、全投票者に占める期日前投票者の割合が三五%程度と、近年の国政選挙とほぼ同水準にとどまりましたが、今後とも、感染症の拡大防止の観点からも、この取組を継続してまいります。  期日前投票の設置状況について、今回の総選挙では、全体で百三十七か所であり、そのうち高校や商業施設等で計四十か所の期日前投票所が設置されました。投票日当日に居住地を問わず全住民が投票できる共通投票所については、これまで県内での設置事例はございません。高校への期日前投票所の設置については、今回初めて期日前投票所を設置した福岡市南区の福翔高校ほか計三校で期日前投票を行いました。このうち福翔高校では、南区の全ての選挙人が投票可能となっております。  投票所での不正防止対策についてです。一人一票の原則を担保するため、投票所では、投票用紙を交付する前に、来場者がその場所で投票ができる人かどうか、選挙人名簿と対照いたしております。投票時の選挙人の整理及び確認等の迅速化や投票所の場所、時間の周知のため、県内全ての市町村で投票所入場券が発行されており、投票所では、この入場券を用いて本人確認がなされております。このため、投票の際には入場券を持参するよう選挙公報や県ホームページ等で周知いたしております。入場券を持参しない場合は、選挙人の氏名や住所、誕生日等を口述させ、記入させたりするなどの方法により本人確認を行っております。確実に選挙人名簿との対照を行っているところでございます。その上で、いずれの投票所においても投票されていないことが確認できた場合、投票用紙を交付するという方法により、二重投票や成り済ましなどの不正投票を防止する取組を行っております。  選挙公報の配布及びその在り方についてです。衆議院選挙における選挙公報は、公職選挙法上、投票日の二日前までに配布することとされております。今回の総選挙で、配布時期について、最も早かったのが投票日七日前の配布で、二団体ありました。法定期限である投票日二日前の配布が最も多い四十四団体でございました。また、配布方法は、自治会への依頼、配布業者への委託など地域の実情に応じたやり方で行われております。選挙公報は、立候補受付後に作成を開始するため、その印刷、配布には一定の日数を要することになります。このため県選挙管理委員会では、選挙公報の県ホームページへの掲載や市区町村選挙管理委員会に対して、期日前投票所の入り口付近に選挙公報を配架していただくことを依頼することにより、選挙人が確実に選挙公報を見ることができるよう取り組んでおります。選挙公報は、選挙人が候補者の公約を知る重要な機会であります。今後とも、市区町村選挙管理委員会と連携して、ホームページ掲載の周知や早期配布に取り組んでまいります。  次に、最高裁判所裁判官国民審査についてでございます。この制度の意義は、内閣が行う最高裁判所の裁判官の任命を主権者である国民の民主的監督の下に置くことにあると考えられております。また、この制度の法的性格は、最高裁判所の判決において、解職の制度であると示されております。この制度では、投票者の多数が審査の対象となる裁判官について罷免を可とする、いわゆる投票用紙にバツ印をつけた場合は当該裁判官が罷免されることから、国民の民主的監督という意義は果たしているものと考えられます。国民審査が今後どうあるべきかについては、立法論に関することであり、県選挙管理委員会の委員長としては答弁する立場にはないと考えております。 19 ◯議長(秋田 章二君) 野村警察本部長。 *警察本部長答弁 20 ◯警察本部長(野村 護君)登壇 列車内で発生した事件に関する県警察としての受け止めと対応策についてお答えいたします。今回の事件は、列車内で敢行された極めて凶悪で悪質な事件であり、県下で発生する危険性も十分あるものと考えております。そこで対応策として、まずは発生の未然防止であります。発生場所が走行中の列車内という特殊性に鑑み、県警察では、他県警察とも連携し、列車内及び鉄道施設内における制服警察官による警戒を強化しております。また、鉄道事業者に対し、防犯カメラの設置をはじめ犯罪が起きにくい環境整備に関する助言、指導を行うなど、この種事案の発生の未然防止に努めてまいります。  次に、事件発生時の迅速な対応であります。事案を認知した際は、迅速に、最大限の警察官を現場に投入し、いち早く犯人を制圧、逮捕するとともに、負傷者の救護、避難誘導等を行い、乗客の安全を最優先とした対応に努めてまいります。そのため、この種事案の発生に備え、平素から鉄道事業者をはじめとした関係機関と合同訓練を行うなど、県民の安全、安心の確保に全力で取り組んでまいります。 21 ◯議長(秋田 章二君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後二時四十分といたします。           午 後 一 時 二十七分  休 憩           午 後 二 時 四十一分  再 開 22 ◯副議長(仁戸田 元氣君) 再開いたします。  休憩前に引き続き代表質問を行います。発言を許可いたします。浜崎達也君。(拍手) *浜崎議員質問 23 ◯七十三番(浜崎 達也君)登壇 皆さん、こんにちは。十二月の代表質問のしんがりを務めます公明党を代表して代表質問をいたします浜崎達也です。どうぞよろしくお願い申し上げます。  まず、質問に入る前に、去る十一月二日にお亡くなりになりました小川洋前知事、我が身をも顧みず、国難とも言うべき新型コロナ感染拡大防止に命をかけて闘われた知事に心からありがとうございましたと申し上げ、謹んで感謝と哀悼の意を表します。  それでは、通告に従い質問に入ります。  知事の政治姿勢で、最初に新型コロナウイルスの第六波への対応について質問します。オミクロン株が警戒すべき変異株に指定され、十一月三十日に日本でも初確認される中、危機感が高まっています。アメリカCDC(疾病対策センター)は、追加接種を受けるべきと、より強い表現で呼びかけるなど、海外では追加接種が加速しています。こうした中、日本では十二月から三回目の接種が始まり、当初二回目からの経過期間を原則八か月としていましたが、オミクロン株の拡大を受け、感染予防を急ぐべきとの判断から、できるだけ前倒しをする方針を示しました。市町村によってワクチンの供給の不足や、接種体制の準備が間に合わない等混乱が生じないよう、知事は三回目の接種にどのように取り組まれるのか。追加接種の目的とワクチン供給量、効果や安全性を丁寧に説明し、県民が安心して速やかに着実に接種が進むよう知事として強いメッセージを発信すべきです。知事の所見を求めます。  次に、自宅療養者の医療支援について伺います。第五波の最大の課題は、自宅での療養を多くの方が余儀なくされたことです。第六波ではどの程度の自宅療養者を想定されているのか。当事者の不安の一つは治療薬がなかったことであり、経口薬の実用化が待たれるところですが、それまでの間、感染再拡大に備え、訪問診療の体制を整備するとともに、重症化リスクの高い方への抗体カクテル療法を行う外来診療を確保しておくことが重要です。第六波では自宅療養者の医療支援にどのように取り組まれるのか、知事の見解を求めます。  次に、後遺症対策について伺います。九月定例会の代表質問でもただしましたが、新型コロナの新規陽性者数は落ち着いているものの、第五波による後遺症患者の増加が懸念されるため、改めてただしておきます。厚労省は、十二月一日、新型コロナの後遺症について初の医療従事者向けの手引を公表するなど、国においても後遺症への対策が動き出しました。九月定例会の代表質問で、県医師会とも連携し検討すると答弁され、その後、協議が進んでいると聞いていますが、具体的にどのような対策を取られるのか、知事の見解を求めます。  この項の最後に、コロナ禍における通院、受診控えの影響について伺います。厚生労働省の調査によると、外来診療に係るレセプト件数は、二〇二〇年四月以降、全ての月でコロナ禍の前の二〇一九年の数値を下回っており、本年六月においても約二・四%の減少となっております。国立がん研究センターでは、本年十一月、全国のがん診療連携拠点病院で二〇二〇年に新たにがんと診断された人が、一九年と比べても六万人減少したと公表しました。新型コロナの感染拡大による検診や通院、受診控えによると思われ、今後、がんの早期発見の遅れから、がんが進行した患者が増えることが懸念されます。  そこで質問ですが、本県の検診の受診控えとがんの発見について本県の現状をお答えください。新型コロナへの対応の長期化が予想される中で、がんの発見の遅れとならないよう、今後どのように取り組むのか、知事の見解を伺います。  次に、公明党福岡県議団では、二〇二一年十月十三日水曜日から十九日火曜日までに、一週間に一日以上働いている二十歳から六十四歳の福岡県民五千百三十一人に、本県の労働環境に関するインターネット調査を実施しました。内訳は、男性二千七百三十人、女性二千四百一人、居住地は、福岡地域が二千九百二十六人、北九州地域千百九十八人、筑豊地域二百八十五人、筑後地域七百二十二人、この調査を基に質問をいたします。
     まず、本県における基本的な労働環境を把握するために、労働時間や休暇取得の実態を聞いたところ、週休二日を維持できていない一週間の平均的な勤務日数が六日以上の人は全体の一四%でした。勤務形態別では自営自由業が四三%で際立って高く、業種別では農林漁業の四二%、建設業、鉱業二九%、運輸、郵便業二五%、不動産、物品賃貸業と医療、福祉がともに一八%で高く、金融関係、公務員、団体職員、情報通信関係などは低くなっております。また、従業者数が一人では三八%、二人から九人三四%、十人から九十九人一六%、百人から九百九十九人が八%、千人以上が五%と、規模が小さいほど勤務日数が多いという実態が明瞭に現れています。次に、労働時間が週五十時間以上の割合は、管理職二五%と自営自由業の二三%が際立って高く、業種別では農林漁業、運輸、郵便業、建設業、鉱業の二二%、教育、学習支援二一%などが高くなっています。次に、一か月の休日出勤日数では、全体では休日出勤はないが六七%で最も多く、一日以上四日未満は二四%、特に男性四十代から五十代が二一%と多くなっており、業種別では農林水産業が一七%、勤務形態別では自営自由業が一四%と高いスコアでした。  そこで質問です。法や制度の制限が少ない農林漁業、自営自由業などで長時間や休日の労働が多くなっています。知事は、本県の基幹産業である農林水産業を稼げる、若い人が参入しようと思ってもらえるような夢のある産業にしていきたいと思いますと述べられておられますが、若い人の夢のある産業にするため、今後、デジタルトランスフォーメーションなど先進的な技術を取り入れることが肝要だと考えます。県としてどのように取り組んでいかれるのかお答えください。  次は、勤務先の労働環境について聞きました。勤務先の労働環境について複数回答を求めたところ、全体では、有給休暇を取りづらい習慣や雰囲気があるが二〇%で最も多く、とりわけ男女年代別ではともに三十代から四十代がスコアが高く、しかし一方で男性、女性とも五十代以上ではスコアが低くなっております。業種別では宿泊業で有給休暇を取りづらいが三九%、際立って高くなっております。また、医療、福祉でも有給休暇が取りづらいが二六%と高くなっています。従業者数別では千人以上が一八%であるのに対し、百人から九百九十九人では二二%、十人から九十九人では二五%となっています。二番目に高いのはパワーハラスメント一五%、残業を自ら申告しにくい雰囲気があるが一三%、社内規程が守られない場合がある一一%、男女間で昇進、役職の登用、評価、待遇等の差があるが一〇%などとなっています。  そこで、いわゆるパワハラとセクハラについても聞きました。まず、パワーハラスメントの印象を複数回答で聞いたところ、大声でどなる、人前で厳しく叱る、無能、ばか、辞めてしまえなどと侮辱的な言葉を使うが七六%で最も多く、これは昭和の私たちの典型的な叱咤激励でもあります。次いで、明らかに無理な仕事を命じるが六一%などとなっています。パワーハラスメントへの認識が大企業ほど高いという傾向が見られます。これは、パワハラ防止法の施行もあり、大企業ほどパワーハラスメント防止の研修や社内規程等が整備されていることが要因と思われます。なお、パワハラ防止法は、中小企業にも二〇二二年四月からの適用が予定されております。次に、セクシュアルハラスメントについての印象の複数回答では、体を触るが七七%で最も高く、飲み会でお酌を求めたり、料理を皿に取り分けをすることを強制する、カラオケでのデュエットを強制する五九%、セクハラに抗議した人が人事や業務上不利な扱いを受けることがある五四%などです。  以上のことを踏まえ、知事は、人権を守り、ジェンダー平等に取り組みます、また女性の活躍を大いに推進していきますと述べられていますが、ハラスメントへの相談窓口の人員のさらなる強化を図り、防止法の施行に先んじた中小企業におけるパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント撲滅の体制づくりを急ぐべきと考えますが、知事のお考えをお聞きします。  次に、勤務先での労働環境改善の取組について従業者数別に聞いたところ、全体では、産休や育休などは基本的に取れるが四〇%で、千人以上の企業が最も高く、六二・八%でした。ハラスメントや労働環境に関する社内の相談窓口や通報窓口があるが全体で三九%、社内規則の改定、研修などのセクハラの防止策が実施されている、全体で二七%、ハラスメントや労働環境、健康状態について会社が契約している弁護士や医師に相談することができる、二〇%となっております。業種別では公務員、金融関係、情報通信関係で高い傾向が見られ、逆に飲食サービス、宿泊業、建設、鉱業等では低く、従業者数が多いほど取組が多く行われている実態が現れております。  この調査対象者の中で二八%と最も高い比率を占める従業者数十人から九十九人の企業の実態を要約しますと、六割で産休や育休が満足に取得できず、約八割で社内に相談窓口が存在せず、パワハラ、セクハラ防止策がなく、職場教育も行われておらず、九割で相談できる医師や弁護士もいないとなります。中小零細企業の労働環境改善の必要性は数十年来の課題であると言えます。この現状は、それらに限界があることを示しています。旧弊にとらわれない、より実効性のある支援が必要ではないでしょうか。例えば、研修制度の充実した大企業が子会社のみならず関連の中小零細企業の社員も研修に受け入れることを県が奨励、支援するなどが考えられます。女性の社会進出と少子化の解決には不可欠な問題であります。知事は、特に子育てについては、子育て中の女性、あるいは一人親家庭の皆さんに対する支援もしっかりと行い、世代や状況に応じた幅広い子育て支援に取り組んでいきますと述べられています。知事の女性の労働環境改善に対する所見を伺います。  次に、コロナ禍による労働環境の変化について聞きました。個人収入が減ったは三四%、変わらないは五六%で、増えたは六%にしかすぎません。世帯収入はより減少が大きく、減ったは三八%となっています。労働時間は、減ったが二八%、変わらないが五九%、増えたは一一%でした。一定期間休職になったは、正社員が六%であるのに対し、パートタイマーは一四%、派遣社員とアルバイトはいずれも一六%、自営自由業も一四%と高率になっております。業種別では、業界全体の業績が悪化したで宿泊業が五九%と際立って高くなっています。それに伴って宿泊業では、職場での人間関係がぎすぎすしてきたが二三%、ミスやトラブルが増えたは一五%と、いずれも最も高くなっており、宿泊業で働く人が、コロナ禍によって労働機会や収入だけでなく、職場での人間関係までも損なわれている実態がかいま見える結果となっています。飲食サービスでは、一定期間休職になったが二七%と際立って高くなっています。従業者数別では、一人から九人で業界全体の業績が悪化した、一定期間休職になった、勤め先が倒産、廃業した、もしくはリストラで職を失ったが高く、零細な事業者での深刻な状況がうかがえます。このことから、コロナ禍によって多くの人の労働機会が失われ、収入の減少につながった実態がうかがえます。各種業界で県民は被害を被っています。とりわけ飲食サービスや宿泊業などがより深刻です。  そこで質問です。コロナを災害と定義した以上、アフターコロナの施策は復興支援の精神を持って行われるべきと考えます。具体的には、コロナ禍によって労働環境が悪化した業種の方々に対して、専門家や専門機関による心のケアを県主導でより効果的に推進することなどを検討すべきと考えます。知事の見解をお答えください。  次に、七十歳まで働くことについて聞きました。まず、働き続けたい年齢を聞いたところ、六十歳くらいまでが一九%、六十五歳くらいまでが三一%、七十歳くらいまで一四%、七十歳を過ぎても働くことができる限りは一六%でした。七十歳くらいまでと七十歳を過ぎても働くことができる限りの合計を比較すると、男女ともに高齢ほど高くなっており、そのほかには自営自由業が四七%、農林漁業が五〇%などが高くなっています。従業者数別では、従業者が少ないほど高い傾向が見られます。高齢者ほど働き続けたいとの希望があります。今後のさらなる具体的な高齢者の就労支援について、知事の考えをお聞かせください。  この調査報告の質問の最後に、福岡県の労働問題施策に対する評価を求めたところ、選択肢全てにおいて、どちらかといえばを含めた評価するが一〇から一五%、評価できないが一五から二〇%程度、分からないが約二〇%、どちらとも言えないが四五から五〇%と極めて似通った傾向を示しており、県民が県の労働施策に関心を寄せていない実態がかいま見えます。業種別で見ると、宿泊業で評価できないとの厳しい意見が極めて多くなっています。例えば、コロナ禍による失業、転職等の対策や支援では、全体一〇%に対して、飲食業では二三%、コロナ禍による労働環境悪化への対策では、全体九%に対し二六%など、コロナ対策を中心に高くなっています。また、この傾向は、コロナ関連のみならずセクハラやパワハラの防止、男女共同参画等の広い分野に及んでおり、コロナ禍による極めて深刻な状況を契機にした、行政への感情的とも言える根強い不信感を読み取ることができます。  宿泊業に代表される、コロナ禍によって業績のみならず心に傷を負ってしまった労働者、失業者などに対する癒やしの精神での支援が必要でしょう。コロナ禍で労働市場が不安定な状況となっている中で、必要な方に必要な雇用施策を丁寧に届けられる県独自の伴走型支援が必要ではないでしょうか。県の今後の雇用政策についての見解をお聞かせください。  次に、私立大学支援についてお尋ねします。知事は、次代を担う人財の育成について触れられています。私は、今から社会人になっていく高校生や大学生に対する支援が必要であると考えます。そこで、今回は地元の大学での取組を紹介させていただきます。  先日、文理芸融合のグローバル総合大学へと、八分野で数値目標を明確化し、教員と学生が一体となり取り組んでいるという九州産業大学を訪問しました。説明を受けた際に、特に関心を寄せたことがあります。九州産業大学は、文系、理系、芸術のコラボによる地域課題等への取組を実践、また昨年より、グローバル人材の育成のためのグローバル・リーダーシップ・プログラム、これには九州・福岡県で唯一の国連機関であるハビタットと連携して、学生に自ら何らかの形でSDGsを推進できるようなグローバル人材を育成するプログラムです。簡単に紹介しますと、全学部学生が対象で、一年次から二年次前期まで基礎科目、二年次前期終了後に選考試験実施、二年次後期から国際的教養を身につけ、グローバル化した世界が抱える様々な課題について探求する。その特別講義を国連ハビタット本部の職員が講師として担当する。三年次で海外インターンシップを体験して、国際社会で協働するための行動力、実践力を身につける。四年次で各自の研究テーマを発表し、卒業時にGLP認定書交付。このプログラム課程を受けた学生が、福岡県内のアジアをはじめ世界の各国との関わりを担う人材として活躍していただきたいと、津上賢治理事長は熱く語っておられました。国連ハビタットが福岡市に設置され、はや二十四年がたちますが、大学との連携は福岡県で初めてであります。  さて、大学の支援は国の役割かもしれませんが、本県として、次代を担う人財の育成として産官学連携でしっかり後押しをすべきと思いますが、知事の考えをお聞かせください。  次に、県内の新しい人材育成機関誘致に対するお考えをお聞きします。このたび、米国のウィスコンシン州立大学は、北九州市、そしてアジア環境技術推進機構と協力して、先月十六日に、日本キャンパスの開設の可能性を調査するため、ウィスコンシン大学の学長ら一行が北九州市を訪れました。当大学は、ホテル、レストラン、旅行業界等への人材輩出に実績があり、このほど日本初進出の有力候補地である北九州市門司区を視察しました。開校一年目に二百人、五年目に千五百人の学生を集めるとの計画が立案されております。今後は、候補地を絞って二〇二二年中に実施計画をまとめ、二〇二四年秋の専門学校の開校を目指すと語っていました。同校の日本キャンパスがまちづくりの核の一つになれば、地元経済界も行政と連携し、地域発展と高齢化対策、そして景気回復にも有効なプロジェクトになると期待しています。また、人口増や観光需要の拡大なども期待できるので、新たなまちづくりのため、ウィスコンシン大学の日本キャンパスの誘致を、オール北九州市で実現に向け支援してまいります。  そこで知事に伺います。ウィスコンシン大学による専門学校誘致に対して、今後、福岡県としての関わり方や支援策について知事の見解をお聞かせください。  次に、精神障がい者福祉施策についてお尋ねします。既に本年五月には、福岡県精神保健福祉会連合会の皆様から服部県知事に要望書が届いたと聞いています。その上で、今回の質問は、精神障害者保健福祉手帳所持者の医療費助成に絞り質問いたします。  精神障がいは、平成五年の障害者基本法に障がい者として明確に規定されました。平成十八年には、障害者自立支援法で精神障がいも含めた三障がい一元化したサービスの提供がうたわれました。しかし、様々な福祉施策において精神障がいは、身体障がいや知的障がいに比べて著しく遅れているのが現状です。精神障がい者の所得は、ほかの障がいの方と比べて格段に少なく、月に約六万円程度、加えて精神薬投与による副作用での合併症から、他科受診を余儀なくされております。診療費の節約により、病院にかからず、さらなる悪化を招いている障がい者が多いということです。  そこで質問でございます。一点目、県は、令和二年二月に行われた福岡県障がい者実態調査が、貴会を含む関係団体の意見を踏まえ、アンケート調査を行ったとのことですが、連合会の皆さんは、我々の生活実態に即していないと、そのアンケートに納得しておりません。奈良県の例を挙げますが、奈良県は、平成二十五年度に精神障がい者に特化してアンケート調査を実施しています。今回の調査で、多くの手帳所持者が精神病院への入院や通院、精神疾患以外の病気の治療も受けていることが分かりました。生活の諸側面で家庭への依存が高く、精神障がい者とその家族の全体的な収人の低さも明らかになり、医療費支出が精神障がい者の暮らしに大きな負担になっていることが見受けられました。今回の調査結果を踏まえ、今後の奈良県の精神保健福祉施策を検討していきますとまとめています。  そこで、一点目の質問です。再度、奈良県のように精神障がい者の実態把握のためのアンケート調査を行っていただきたい。また、その際に、生活実態に即したものにするため、関係者の皆さんの意見を十分に取り入れたアンケートにしていただきたい。  二点目、全国で精神障がい者への医療費助成制度が統一されておりません。また、級数による助成も各県ばらばらであります。加えて、重度障がい者公費負担医療制度において、一級も精神科入院は助成対象になっておりません。さきに述べました奈良県ほか三県は、一級、二級の所持者の全科入院、通院を助成対象にしております。本県においても、国に要望するだけでなく、県単独で医療費助成の拡充を図るべきと考えます。知事は、誰もが年齢、性別、障がいの有無にかかわらず、働き、活躍できる福岡県をつくっていきますと力強く述べられました。明年こそ精神障がい者福祉施策を一歩前に進めるべきではないでしょうか。誠意ある答弁を期待しています。  次に、視覚障がい者の外出支援策として開発、研究されているバリアフリー杉デッキ歩道について質問します。私の地元福岡市南区の喫茶店経営の視覚障がい者の方の紹介で、九州大学キャンパスを訪れました。九州大学キャンパスバリアフリー検討研究会の羽野暁特任助教より、バリアフリー杉デッキ歩道の実験現場で説明を受けました。羽野先生から、視覚障がい者は日常生活において聴覚を重要なコミュニケーションツールとしている。さらに、周囲の環境をより確実に識別するため白杖でたたいて音を出し、視覚障がい者誘導ブロックを軽く踏んで歩かれている。視覚障がい者が安全に単独歩行するための最も大きな情報源は視覚障がい者誘導用ブロックです。現在では公共空間に広く普及し、視覚障がい者の歩行を支援しております。しかし、視覚障がい者誘導ブロックは、線の幅が細いため、一旦それると、最悪の場合車道に飛び出す可能性がある。視覚障がい者は、三十センチほどの細い線上の誘導ブロックからそれやすく、誘導用ブロックの敷設だけでは視覚障がい者の安全な単独歩行に対する支援は十分ではないとの説明に、誘導用ブロックで事足りると思い込んでいた私は大変ショッキングな説明を受けました。  早速、アスファルト舗装部と杉板舗装部を二分した延長十八メートルの試験歩道の現場で、白杖を使って歩いてみました。アスファルトの歩道と杉板歩道の違いは、アスファルト舗装では、車道にそれても白杖でたたく音は同じで聞き分けができませんが、杉デッキ歩道を歩行した際は、車道にそれた場合に音の違いがはっきりしていました。まさに一目瞭然ではなく、一聞瞭然でありました。既に、十代から七十代の白杖を用いて単独歩行が可能な視覚障がい者の方四十二名に実験していただいたそうです。実験結果は、アスファルト舗装では七名の方が車道に飛び出した。しかし、杉板舗装ではゼロ名であったということです。  ちなみに木製バリアフリー歩道の構造は、板は幹径五十センチ以上の建築材には不適な杉、ヒノキを使用し、同大学で開発した防腐処理技術を使い、根太にはペットボトルのキャップを主原料にした再生材を使用しています。耐久年数は約二十年から二十五年であり、一般的なアスファルト舗装やインターロッキング舗装が五年程度で補修が必要になることに比べて耐久性も勝ります。  そこで知事に質問です。今述べたことは、聞いただけでは理解しがたいと思います。百聞は一見にしかず。この杉デッキは、SDGs達成への貢献でもあります。ぜひ、この実験現場の視察をお願いしたい。その上で、視覚障がい者が多く通行する道路への活用を検討してはいかがでしょうか、お答えください。  次に、コロナ禍での結婚減少について知事に伺います。今年の厚生労働省の人口動態速報では、結婚数は、一月から十一月の累計で、二〇一九年と比べ約五十六万五千組が、二〇二〇年には約四十九万三千組と一三%も減少しております。本県においても、昨年は三千三十二組減少し、一一・七六%減でした。出生数も、二〇年には八十万人を下回ったと言われております。本県においては約三万九千人と、十年間四万人台で推移していたが、四万を割り込み、合計特殊出生率で一・四三でした。  そこで一点目に、コロナ禍の影響で結婚や出産が減少しているという状況について、知事の所感を伺います。  二点目に、現段階で政府は、これからの婚姻数を増加させ、急激に進む我が国の少子化に歯止めをかけるため、二〇二一年度からAI(人工知能)を活用、利用した自治体における婚活支援事業を推進しております。新しいAIを活用するシステムでは、本人の希望している条件とは完全に合わなくても、本人の価値観や趣味、志向などの設問に対しての答えを基にして、対象者に対して好意を抱く可能性のある人を選び出せるというものです。本県では、このようなAIを駆使した支援を行っておられるのか、また今後何かAIを使った政策を考えているのか伺います。  この項の最後に、財政的支援についてお尋ねします。若いカップルが結婚にまで踏み切れない理由として、結婚資金や生活費に充当できる収入の低さが関係していると言われております。国と自治体において二〇一六年から始まった結婚新生活支援事業がありますが、本年度よりモデル事業を公募し、採択された自治体の補助上限額を、現行の三十万円から倍の六十万円とさらに手厚くし、補助率を引き上げるようになったと聞き及んでおります。知事の今後の対応についてお伺いいたします。  次に、県職業訓練の技術者育成について伺います。新型コロナウイルスの感染拡大が就業や生活に深刻な影響を与えている現状から立ち直るためには、教育や社会人の能力開発などを支援する、人への投資が極めて重要です。厚労省によると、新型コロナの影響で解雇、雇い止めされた人は、見込みを含めて十月一日時点で十一万七千人を超えています。このうち非正規雇用労働者数は約半数で、そのうち女性が約七割を占めております。収入が途絶えて生活が困窮するケースもある中、人への投資の一つの選択として求職者支援制度の活用が挙げられます。この制度を利用できるのは、離職して収入がない人や失業給付の支給が終了した人、雇用保険に未加入のパート勤務者等であり、職業訓練受講給付金として一定の要件を満たせば、月十万円や訓練施設までの交通費などを受けながら様々な職業訓練を無料で受講できます。そこで、この役を担う機関として、本県では福岡県立高等技術専門校が存在します。私は、就職、転職、再就職を希望する方が確かな技術を習得するための職業訓練施設として極めて重要な役目を担われていると思います。  そこで、何点か質問します。一点目、本県では現在七か所の高等技術専門校が存在しますが、応募率及び訓練生の入校状況について。  二点目、ハローワークからの紹介による入校が最も多いと聞いていますが、コロナ禍の中、ハローワーク自体への来所者が減少しているとの話もあり、今後どのように認知度を上げ、入校者増につなげていくのか。  三点目、令和三年度の入校状況に関して、左官科の入校者が低調ですが、この原因について、また今後の対応について。  四点目、デジタル化の進展に対応するため、訓練内容の見直しを検討すべきと考えますが、見解をお聞かせください。  五点目、高等技術専門校の認知の在り方として、保護司会との協力についてお尋ねします。  以上五点、知事に誠意ある回答を求め、この項を終わります。  次に、中小企業支援策について伺います。国内において新型コロナの影響を受けた二〇二一年三月期の企業決算は、四割の企業で前期より借入金が増えたことが分かりました。十月十五日にコロナ感染対策が緩和され、社会経済活動の再開は朗報ですが、需要回復に確証を持てない中で、冬場に感染が再拡大するともっと厳しくなる可能性はゼロではありません。融資の返済据置期間を当初一年に設定した企業も多く、融資先の多くが来春の返済開始となっています。  そこで伺います。返済困難な事業者に対する支援策は考えておられるのか、具体策があればお聞かせください。  大事なことは、来春以降、中小零細及び小規模事業者をどう支援していくかが鍵になります。業種や規模によって課題は様々であり、融資を含め事業者のニーズに合った経営支援を行う伴走型支援をより一層推進すべきと思いますが、知事の見解をお聞かせください。  二点目は、中小事業者に対し、燃料価格高騰問題と今後の対応について伺います。昨年の六月から燃料価格は依然として高止まりの状況です。燃料以外の諸経費も上がり、コストアップ分を売買価格に転嫁されない構造的な課題や、下請価格に上乗せして請求できないという状況が中小の業者で広く見られ、売上げが増えない下での中小企業の置かれている状況は一層厳しくなっております。運輸、交通、建設、クリーニング、公衆浴場など燃料が経費に占める割合の大きい分野での影響に対してどのように認識されているのか、また実態調査は行われたのか、その結果はどうだったのかお聞かせください。  今後は、県が実施すべき対策についてどのように考えておられるのか。国の緊急対策待ちではなく、本県としてできることは早急に取り組むべきと考えますが、知事の見解をお聞かせください。  次に、夜間中学についてお尋ねします。福岡市は、今朝の朝刊に学校名として福岡きぼう中学校にすると発表しました。校名には、夜間中学が生徒の希望を実現する助けとなるようにといった思いが込められているそうです。来春、九州では初の開設であります。  私は、九月十四日に開校予定地の福岡市教育センターにて、福岡市教育委員会より開設への取組等の説明を受けました。福岡市は、本年四月十五日から五月十四日の一か月間、公立夜間中学に関するニーズ調査を行った。対象者は、公立夜間中学通学希望者及び自主夜間中学、日本語教室等の生徒。通学回答のあった中では、年齢層では十代が最も多く、次いで三十代でありました。十代から四十代までで八三・二%、五十代以降が一六・八%。公立夜間中学で勉強したい理由では、中学校の勉強をやり直したい四五・三%と最も多く、進学、就職したいが一七・一%、日本語を学びたいが一二・四%でした。このアンケート調査から、中学校段階の教育を受け直したいニーズが高いことが十分に分かります。国は、二〇一六年、義務教育機会確保法が成立し、続いて二〇一八年、第三期教育振興基本計画閣議決定で、全ての都道府県に少なくとも一つの夜間中学が設置されるよう促進、夜間中学の教育活動の充実や受け入れる生徒の拡大を図るなど、教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進すると言っております。  そこで教育長に質問します。一点目、教育振興基本計画閣議決定からの本県の取組を具体的にお示しください。  二点目、令和元年十二月の代表質問で、大牟田市の夜間中学設置の動きを尋ねました。その際、教育長は、設置に向けた具体的な検討事項の相談に応じるなど支援してまいりますとの答弁でした。この二年間での県の大牟田市への支援をお聞かせください。  三点目、学齢児童生徒のための就学援助がありますが、夜間中学に通う生徒は年齢的には該当しません。他県では独自に実施している自治体もあるようですが、本県の考えをお聞かせください。  四点目、夜間中学への通学希望者は広域に存在しています。県境が隣接している大牟田市では県を越えてのニーズが予想されます。本県として広域的な生徒の受入れに対しての見解を求め、この項の質問を終わります。  以上が私の代表質問でございます。知事、教育長のひたむきな前向きな答弁を求めまして、私の代表質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) 24 ◯副議長(仁戸田 元氣君) 服部知事。 *知事答弁 25 ◯知事(服部 誠太郎君)登壇 御答弁を申し上げます。  まず、新型コロナのワクチンの三回目の接種についてでございます。三回目の接種は、二回目の接種から原則として八か月を経過した十八歳以上の方を対象に、市町村が主体となって実施いたします。この三回目接種では、一、二回目に接種したワクチンの種類にかかわらず、ファイザー社ワクチンとモデルナ社ワクチンのいずれかを接種することになり、交互接種となる場合もございます。ワクチンの供給につきましては、来年三月までに本県において使用いたします百七十七万回分の供給スケジュールが既に示されておりまして、現在、市町村においては、このスケジュールに基づいて接種体制を整備しております。県では、全国知事会を通じまして、自治体が希望する量のワクチンを確実に供給するとともに、長期的かつ具体的な供給スケジュールを示すよう国に要望いたしております。また、県の役割といたしましては、ワクチンの配分調整、副反応に関する相談窓口の設置、接種に係る広域調整や進捗管理などを行うことになりますが、市町村による接種が円滑に進みますよう、これら以外でありましても、必要な支援は行ってまいりたいと考えております。  なお、三回目接種を促進させるためには、交互接種の効果や安全性などについて知見を持っております国が、国民の皆様に丁寧にしっかりと周知、啓発していただくことが重要であると考えております。県といたしましても、ワクチンの三回目接種により感染拡大の抑制や重症化の予防が期待されますことから、県民の皆様に安心して接種いただけますよう情報発信に努めてまいります。  自宅療養者の医療支援についてでございます。県では、先月末に福岡県保健・医療提供体制確保計画を取りまとめまして、その中で第五波のピーク時に九千人を上回りました自宅療養者について、次の感染拡大時には最大八千六百人程度と想定をいたしております。このため、自宅療養者の症状が悪化しました場合に速やかに医療機関を受診できるよう、外来受診や往診等に対応可能な医療機関千機関を拡充、確保いたしたところでございます。さらに、感染拡大時に保健所の求めに応じて看護師が自宅療養者を訪問し、健康観察を実施することといたしております。また、中和抗体薬の投与につきましては、対応可能な医療機関のリストを基に、希望者が地域の医療機関で速やかに投与を受けることができますよう体制を整備いたしております。さらに、経口薬の投与が可能となった際に、地域の医療機関で処方が可能となりますよう、県医師会及び県薬剤師会と協議を進めておるところでございます。こうした取組によりまして、引き続き自宅療養者の方が安心して療養していただけますよう、医療支援体制を強化してまいります。  後遺症への対策についてでございます。新型コロナの後遺症につきましては、様々な症状やその症状が長引くことによる日常生活への影響などが指摘されておりますものの、その実態は明らかになっておりません。現在、国の研究事業として、大学や専門の学会が複数の実態調査に取り組まれておりまして、県としては国に対し、その実態解明を早急に進め、これらの情報を広く国民に周知すること、また都道府県と情報共有するとともに、県が実施する後遺症に係る医療提供体制の整備に要する経費について財政措置をすること、このことを全国知事会を通じて求めております。先日、国から後遺症に関する診療の手引が示されたところでございまして、今後は、この手引を活用して、後遺症に悩む方を適切な医療につなげられますよう、相談窓口の設置や診察を行う医療機関の選定などについて県医師会と協議を進めてまいります。  コロナ禍におけるがんの発見への影響についてでございます。市町村が行いますがん検診につきましては、例えば胃がん検診では、昨年度の受診者数が八万九千人と、一昨年度の十一万人と比較しますと約一九%減少しております。本年度につきましては、四月から九月までの累計が四万四千人と、昨年度の同期間の二万九千人と比較しますと約四九%増加をいたしておりますが、一昨年度の同期間の五万八千人と比較いたしますとやはり約二四%の減となっておりまして、コロナ禍前の水準まで回復をいたしておりません。このように、いまだがん検診の受診控えが継続している状況と考えております。国立がん研究センターが先月二十六日に公表いたしました全国集計では、昨年新たにがんと診断された件数は、一昨年と比較し約四・六%減少いたしました。また、がんのステージ別では、がん検診で発見される割合が高い早期がんの診断数が大きく減少したとの報告がなされたところでございます。本県におきましても、がんと診断された件数が約七%減少し、また早期がんの診断数も大きく減少するなど同様の状況となっております。国は、この結果につきまして、がんの患者数そのものが減少したことに起因するものではなく、新型コロナに伴う影響により、早期がんを中心にがん発見数が減少したものである可能性が高いとの見解を示しておられます。  がんの早期発見、早期治療のためには、がん検診の受診や医療機関への受診が遅れないようにすることが重要でございまして、コロナ禍においてもがん検診を受けることの重要性や、検診で要精密検査となったり自覚症状がある場合にはすぐに医療機関を受診していただくことにつきまして、県ホームページやLINE、ツイッター等により改めて周知を図ってまいります。また、県に登録いただいておりますがん検診推進事業所に対し、従業員及びその家族へ受診を働きかけていただくよう依頼を行ってまいります。  次に、本県における農作業の省力化についてお尋ねがございました。農業者の減少や高齢化が進む中、作業を効率化し、労働時間を短縮していくためには、農業におけるDXの推進につながりますAIやIoTといった先端技術の活用を積極的に進めていく必要がありますことから、県ではスマート農業機械の導入を支援をいたしております。具体的に申しますと、水田農業ではGPSを搭載したロボットトラクターや防除用のドローンの導入によりまして、従来の半分の時間で作業が可能となっております。また、園芸農業を見ますと、ハウス内の環境をタブレット端末により遠隔で管理する装置で省力化を進めますとともに、自動防除装置の導入によりまして、農薬散布時間を四〇%削減できるといった効果が出ております。今後は、高い技術力を有します県内の企業と連携をいたしまして、ロボット技術を活用したあまおうなどの収穫、調製作業を実用化することを目指し、生産の効率化や省力化をさらに進めてまいります。  次に、中小企業におけるパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント対策についてでございます。職場におけるハラスメントは、働く方が能力を十分に発揮することの妨げになるとともに、個人の尊厳や人格を不当に傷つけるなどの人権に関わる許されない行為でございます。企業にとりましても、貴重な人材の損失や社会的評価への悪影響が生じかねない大きな問題でございます。一昨年六月の労働施策総合推進法の改正等によりまして、職場のハラスメント防止対策が強化され、来年四月には、中小企業に対する職場のパワーハラスメント防止措置が義務化される予定でございます。国においては、そうした関係法令の周知を行うとともに、実際にハラスメント事案が生じた場合には、国の各都道府県労働局等に設置されております総合労働相談コーナーでの相談支援、法に基づく助言、指導や調停などが行われております。県といたしましても、県民や県内事業者が関係法令について正しく理解できますよう、国の福岡労働局とも連携をして、セミナーを実施するなどにより周知、啓発に取り組んでおります。加えまして、県内四地域それぞれに設置をしております県の労働者支援事務所におきましては、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントなど職場の人間関係に関する相談も含め、労働者、使用者双方から労働相談をお受けいたしております。労働相談の中では、相談者のお話を丁寧に聞き取り、自主的な解決につながるよう関係法令を踏まえたアドバイス等を行っております。また、それだけでは解決が図られないという場合には、労働者支援事務所が労働者と使用者の間に立って意見の調整を図るあっせんの実施、指導権限のある国の機関への誘導、法的手段も含めた選択肢についての説明等を行っております。今後ともこうした取組を通じ、中小企業におけるハラスメント対策の推進を図ってまいります。  女性の労働環境改善についてでございます。働く女性が増加をし、仕事や生活の在り方が変化している中で、性別や年代、時間等の制約の有無にかかわらず、あらゆる方が活躍できる職場づくりが必要でございます。女性が長く働くためには、それぞれの企業において育児休業を取得しやすい雰囲気づくりや、男性の家事、育児参加の促進、子供が病気のときの看護休暇の取得の促進などが必要でございまして、これにより仕事と家庭の両立が可能となるものと考えます。また、長時間労働の見直しや短時間勤務制度、テレワークの導入といった柔軟な働き方などの取組を進めることも重要でございます。そのため県では、働き手にとって魅力ある職場づくりに取り組む県内企業を増やせるよう、ワークショップ形式での研修や子育て応援宣言企業の好事例の周知により、ノウハウを提供するなどの支援を行っております。また、安心して子供を預けて働くことができますよう、保育所や放課後児童クラブ、病児保育施設の整備充実に努めております。このような取組を進めまして、安心して結婚し、子供を産み育て、働き続けられる環境を社会全体でつくっていくことが、女性の活躍推進と少子化対策に大いに寄与することになると考えております。  次に、コロナ禍で労働環境が悪化した業種の方々の心のケアについてお尋ねがございました。県では、精神保健福祉センター及び保健所におきまして精神保健福祉相談を実施をいたしまして、医師や保健師が心の悩みについての相談に対応をしております。電話や対面でお一人お一人の悩みを丁寧にお聞きをし、鬱病などの精神疾患が疑われる場合には医療機関につなげるなど適切に対応をしております。こうした取組に加えまして、精神保健福祉センターで実施をいたしております臨床心理士による心の健康相談電話につきましては、コロナ禍で心のケアに関する相談ニーズが増えておりますことから、回線を増やして対応しているところでございます。さらに、市町村の保健福祉センターなど、県民の方に身近な場所で精神保健福祉士によるこころの健康相談会を開催するなど、相談機会の拡充に努めております。御指摘がございました飲食サービス業や宿泊業で働く方々は、仕事の先行きが不安定なことや経済的な苦しさが増したことなどにより、精神面の不調を感じていることが多いのではないかと考えております。今後、こうした方々に、先ほど来申し上げておりますような県が行います心のケアに関する相談窓口を十分に活用していただけますよう、業界団体、また関係機関を通じて周知に努めてまいります。  高齢者への今後のさらなる具体的な就労支援についてでございます。少子、高齢化の進展により、今後労働力人口の減少が見込まれます中で、持続的な経済発展を図っていくためには、働く意欲のある誰もが活躍できる社会をつくっていくことが重要でございます。県では全国に先駆けまして、県内四か所に七十歳現役応援センターを設置し、求職者の方に対しては、経験や技能に応じた進路を提案いたしますとともに、求人企業に対しましては、高齢者に適した業務の切り出しを行っていただきまして、適切なマッチングを推進するなど個々の状況に応じてきめ細かな支援を実施をいたしております。さらに、身近な場所で相談を受けられますように、最寄りのハローワークなど県内十か所に職員を派遣し、出張相談も実施をしております。また、昨年十一月から、各センターに求人開拓専門員を増員をいたしまして、コロナの影響により減少した高齢者向けの求人の掘り起こしに努めております。これによりまして、センターの支援による進路決定者は、開設以来昨年度まで累計で一万一千三百九十五人となっております。年間の進路決定者数は、設立当時と比べますと、現在は五倍に増えております。今年四月、七十歳まで就業機会の確保を企業の努力義務とする改正高年齢者雇用安定法が施行をされました。県といたしましては、今後、企業に対し、改正法の内容を周知するとともに、高齢者が意欲と能力に応じて継続して働ける制度の導入を働きかけてまいります。  県の今後の雇用政策についてでございます。このコロナ禍の影響で雇用情勢に厳しさが見られます中で、年代や就業形態の違いなど、労働者や求職者の方が置かれている個々の状況を踏まえた丁寧な支援の実施が平時以上に求められていると認識をいたしております。このため県では、県内四地域において、相談される方の状況に応じたきめ細かな就職支援を行いますよう、若者、中高年、高齢者、子育て女性といった年代別、対象別の就職支援センターの支援体制を強化いたしまして、正社員求人の開拓やキャリアコンサルティング等に取り組んでいるところでございます。また、人材不足分野での正社員就職の実現に向けまして、今年度からは、新たに紹介予定派遣の仕組みを活用したマッチング支援を行いますとともに、不安定な就労状況にある方が働きながらスキルアップにチャレンジできますよう、短時間、短期間で夜間、休日に受講可能な公共職業訓練を実施をいたしております。加えまして、こうした支援に関する情報を必要な方々にしっかりとお届けできますよう、県ホームページやSNSを活用した周知はもとより、市町村やハローワーク、生活困窮者自立相談支援機関等の関係機関とも連携した丁寧な周知を行っておるところでございます。引き続きまして、このような取組に全力を挙げますとともに、今後も雇用情勢を的確に捉えて、関係機関と連携しながら、県として必要な雇用政策を推進してまいります。  九州産業大学の取組に対する県の後押しについてお尋ねがございました。九州産業大学は、産学一如の理想の下、建学以来六十年にわたり、産業界の期待に応える人材の育成に尽力され、多数の卒業生が産業界、あるいは芸術など様々な分野で活躍をされておられます。また、国連ハビタット福岡本部と連携をいたしましたグローバル・リーダーシップ・プログラムや福岡女子大学との連携授業の実施によりまして、国内外で活躍する人材の育成に取り組まれております。県では、工業技術センター生物食品研究所が九州産業大学と連携をし、企業に対し機能性表示食品の製造方法を助言いたしますなど商品化を支援をいたしております。また、昨年からは青少年育成担当の局長を、同大学の求めに応じ外部評価委員として派遣をいたしまして、大学の教育研究、人材育成の取組について意見を述べているところでございます。県といたしましては、芸術に関する学科を持つ九州産業大学の特色を生かした若手芸術家の育成などの人材育成の連携についても、今後検討してまいりたいと考えておるところでございます。  次に、北九州市門司区への専門学校の誘致についてお尋ねがございました。北九州市門司区における専門学校の設置に向けた調査のため、今年十一月にウィスコンシン大学の関係者が現地を訪問したことは報道で承知をいたしておりました。また、高齢化が進む地域において、この大学や専門学校の誘致が実現いたしますと地域の活性化につながるものと、地元の方々は大きな期待を寄せていらっしゃると思います。我々といたしましても関心を持ち、北九州市に専門学校の計画についてお聞きをいたしましたところ、現在、大学等から具体的な内容は示されていないとのことでございました。本県といたしましては、専門学校の設置者からの相談があれば適切に対応いたしますとともに、今後の動きについても情報を収集してまいりたいと考えております。  精神障がい者の福祉施策につきまして、その精神障がい者の実態把握についてお尋ねがございました。本県では、今年度から令和八年度までの障がい者施策の基本的な考えを定めました計画を策定するに当たり、身体、知的、精神の区分ごとに、障がいのある方のニーズや困り事などを把握するための実態調査を昨年の二月に実施をいたしました。この実態調査を踏まえまして、今年三月に計画を策定したところでございます。その後、五月に、当事者団体でいらっしゃいます福岡県精神保健福祉会連合会から、本人の病歴や同居家族の年収などについて追加調査の申入れがございました。しかし、これらは県の個人情報保護条例におきまして、県が収集してはならないと規定をされているところでございます。昨年二月に実施いたしましたこの実態調査の質問事項は、同連合会と協議の上、作成したものでございまして、この調査によって精神障がいのある方々の実態を一定把握できたと考えております。今後は、この調査結果を施策の立案等に活用してまいります。  精神障がいのある方への医療費助成についてでございます。精神障がいのある方の医療費は、国と県による精神通院医療、これを含めますと、通常一割が自己負担となります。特に重度の精神障がいのある方につきましては、就労の機会が制約され、収入を得ることが困難な状況になりますことから、県と市町村において、所得状況に応じ、この自己負担分の一部を助成し、負担を軽減しているところでございます。身体または知的障がいのある方についても、重度の障がいのある方に対しては同様の助成を行っております。また、重度の精神障がいのある方については、住み慣れた地域において在宅により生活を送っていただくことを促進する観点から、精神科入院以外の医療費を助成対象としているところでございます。こうした助成制度は、本来、住む地域によって差があってはならないと考えております。県では、国において全国一律の公費負担医療制度を創設されますよう、全国主要都道府県民生主管部長連絡協議会を通じ要望をしておるところでございます。今後とも、様々な機会を捉えまして、国に対する働きかけを行ってまいりたいと考えております。  視覚障がい者が多く通行する道路におけるバリアフリー杉デッキ歩道の活用についてでございます。県の管理いたします道路は、福岡県高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る道路の構造に関する基準を定める条例に基づきまして、歩道の舗装や勾配、視覚障がい者誘導用ブロックなどを整備することによりまして、視覚に障がいのある方の通行に配慮をしております。バリアフリー杉デッキ歩道を道路に活用するに当たりましては、先ほど申し上げましたこの構造基準を遵守した上で、車道から車両が乗り入れる部分における段差でありますとか沈下などに対する耐久性や構造の検証、また各種障がい者団体の皆さんとの協議などを行う必要があると考えます。このため、先行事例などについて情報収集をしながら、導入に当たっての課題について研究していく必要があると考えております。県といたしましては、今回御提案をいただきました工法も含め、新しい技術について研究を進めながら、引き続き障がいのある方に優しい道路整備を進めてまいります。  コロナ禍の影響による結婚や出産の減少についてでございます。本県の令和二年の結婚数は、前年比一一・八%の大幅な減でございまして、出生数につきましても、今年一月から九月までの速報値で前年比五%の減となっております。新型コロナの流行が結婚数及び出生数の減少に影響を及ぼしているものと考えております。コロナ禍によりまして人と人との接触機会が減少する中で、結婚を後押しするためには、出会いの機会を創出していくことがこれまで以上に重要でございます。県といたしましては、感染防止対策の徹底、オンラインの活用など様々な工夫を行いながら、より一層出会いの機会の提供に取り組んでまいりたいと考えております。  AIを活用した婚活支援についてお尋ねがございました。本県では、出会い・結婚応援事業といたしまして、出会い応援団体の登録の推進や企業、団体間のマッチング支援センターによる異業種団体間での出会いイベントの開催などを行っております。近年、婚活支援にAIを活用する事例が増加しておりまして、国においては、自治体の結婚支援センター等のAI活用を支援する補助制度が創設されたところでございます。AIは、価値観や行動履歴などのデータの分析に優れておりまして、効果的にマッチングを行うことができる可能性がございます。このため県といたしましても、他県の導入事例等も参考にしながら、先ほど申し上げましたように、現在実施している出会い・結婚応援事業、これにおけるAIの活用について今後検討してまいりたいと考えております。  結婚新生活支援事業に対する対応でございます。国は、今年度、都道府県が主導して本事業の実施市町村を拡大いたしますモデル事業を新たに創設をいたしました。新婚世帯への助成金の補助上限額や補助率を引き上げたところでございます。本県もこのモデル事業に採択をされました。本県では市町村も参加をして、事業拡大や今後の連携方策を議論する協議会を通じまして、複数市町村で行う出会いイベントの実施、あるいは共通の広報ツールの作成、こういったことに取り組みまして、実施市町村の面的拡大を図ってまいりました。その結果でございますが、この事業を実施する市町村は、昨年度の十二市町から二十四の市町に倍増をしております。今後とも、より多くの市町村に実施を働きかけてまいりますとともに、市町村の財政負担の軽減、あるいは制度の拡充について国に要望してまいります。  次に、高等技術専門校の応募率及び入校状況についてでございます。県が設置をいたしております七校の高等技術専門校では、就職、転職、再就職を希望される方を対象に、産業界、地域のニーズを踏まえた職業訓練を実施しております。今年度は、三十四科目九百五人の定員を設定をいたしまして、これに対し、応募者数は七百五十八人、入校者数は六百三十八人で、定員に対する応募率は八三・八%、入校率は七〇・五%となってございます。定員以上の応募がございましたのは十三科目ございますが、中でも福岡校と小竹校に設置をいたしておりますプログラム設計科では、近年のデジタル化の急速な進展に伴って応募者が増えておりまして、同科の応募率は一六七・五%、入校率は一〇〇%となっているところでございます。  この高等技術専門校の認知度の向上についてでございます。県では、この高等技術専門校の認知度の向上及び入校者数の増加を図りますため、県ホームページやSNS、市町村の広報紙を活用した広報、またオープンキャンパスの実施、年代別、対象別就職支援センターなどへの入校案内を行いますほか、高等学校には職員が直接訪問いたしまして、訓練内容の説明を行いますなど積極的に広報、周知を図っております。特にこの中でもオープンキャンパスは効果が大きゅうございまして、昨年度は七百五十人が参加され、うち三百三十人が今年度の入校に結びついております。コロナ禍の影響も踏まえまして、今年度からはオンラインのオープンキャンパスを実施をいたしておりまして、多くの方に利用していただけるよう、その内容の充実に努めているところでございます。また、今年度は、新たに高等技術専門校の特色とか魅力を伝えるPR動画、これを各校別、また地域別に二十四本作成をいたしまして、県ホームページで公開をし、ユーチューブでも常時発信を行っております。引き続き、こうした取組によりまして、高等技術専門校の認知度向上と入校者の増加に努めてまいります。  令和三年度の左官科の入校者が低調な原因と今後の対応についてでございます。左官科につきましては、田川校と小倉校に設置をいたしておりまして、今年度は、六十人の定員枠に二十三人が訓練を受けておられます。入校者が少ない原因として、左官という仕事にあまりなじみがなく、職種のイメージが湧かない、また左官の技能の習得に自信がなく就職に不安がある、こういったことが原因であると考えられます。このため両校では、地元の左官業組合と協力をして、企業からの講師を招き、しっくいの公開講座を開催するほか、オープンキャンパスに来校した方に実際にこて塗りを体験してもらいますなど、左官科や左官業に実際に触れていただく取組を行っております。また、その訓練内容につきましては、タブレットを活用したペーパーレス施工管理やエクステリアCADを使った設計など、時代に合った最新の技術を取り入れたものとなるよう見直しを行っております。引き続き訓練内容の充実を図りますとともに、就職支援もしっかり行いまして、左官科の魅力を高め、入校者の増加に努めてまいります。  デジタル化に対応した訓練内容の見直しについてでございます。先ほど申しましたように、福岡校及び小竹校にプログラム設計科を設置をいたしまして、年間四十人の訓練を行っておりますが、訓練内容の決定に当たりましては、まず定期的に業界団体や地元企業に対しアンケート調査を行いますなど、ニーズの把握というものに努めております。その上で、各種プログラム言語の知識の習得に加えまして、インターネット上で資金決済ができるウェブサイトのシステム開発など、変化の速い産業界のニーズに対応したカリキュラムの見直しを行ってまいりました。また、民間の教育訓練機関等に委託して行います職業訓練、委託訓練ですね──におきましては、ウェブデザインやスマートフォンアプリ開発などデジタル技術を習得する訓練を実施をしておりまして、今年度は、新型コロナ前の一昨年度の二百十一人と比較しますと、約一・五倍の三百十人に定員を拡充をいたしております。今後も社会のデジタル化が一層加速することが見込まれます。産業界や訓練を希望する方々のニーズを捉えながら、訓練内容の見直しを行ってまいります。  保護司会との協力についてでございます。何らかの事情により離職を余儀なくされた方をはじめ、専門的な知識や技能を身につけ、経済的な自立を望んでおられる方々にとって、本県の職業訓練というものは非常に重要な役割を果たしているものと思っております。また、これまで犯罪、非行から立ち直ろうと努力する方も入校され、訓練を修了され、就職に結びついておられる方もいらっしゃます。こうした方に本県の職業訓練の情報を直接お届けするためには、日頃、犯罪や非行をした人たちの更生を図るために、生活上の助言あるいは就労の手助けなどを行っていただいております保護司の方との連携が重要と考えております。今後、福岡県保護司会連合会、あるいは福岡県協力雇用主会が参加をいたします福岡県再犯防止推進会議有識者会議の場などを通じまして、職業訓練に関する情報提供の在り方について御相談をしてまいりたいと考えております。  次に、中小企業支援策として、融資の返済困難な事業者に対する支援についてでございます。県制度融資におきまして、現在、返済期間や据置期間の延長といった返済条件の緩和措置を取っております。具体的に申しますと、来年三月三十一日までに金融機関等の承認が得られれば、通常貸付期間十年、据置期間二年のところをいずれも最長三年間延長できることといたしております。今後も新型コロナの影響を勘案をいたしまして、金融機関等による承認の期限の延長を検討してまいりたいと考えております。併せまして、制度融資取扱金融機関や信用保証協会に対しまして、事業者の皆さんからの返済条件の変更の相談に対し、柔軟な対応を行いますよう要請をし、応じていただいているところでございます。  伴走型支援の推進についてでございます。商工会議所、商工会では、日頃から事業者を訪問して、事業者に最も身近な存在であります経営指導員によりまして、日常的な相談対応はもとより、融資の新規申込みや返済、また事業計画の策定など、事業者の実情をきめ細かく把握しながら、一社一社寄り添った支援を実施をいたしております。また、こうした中で、県の中小企業振興事務所におきましては、経営指導員単独では対応が困難な案件について、金融機関や専門家団体と一緒になりまして、その解決に当たっているところでございます。さらに、福岡県中小企業振興センターでは、経営改善や長期的な事業計画の見直しといった専門的な相談について、中小企業診断士や税理士、社会保険労務士など数次にわたる専門家派遣により手厚い支援を行っておりまして、今後もこうした取組により、コロナ禍の影響で苦しむ中小企業、小規模事業者に寄り添ったきめ細かな伴走支援を行ってまいりたいと考えております。  次に、燃料価格高騰の影響に係る認識と実態調査の結果についてお尋ねがございました。県では、商工会議所や県商工会連合会、また県中小企業団体中央会を通じまして、様々な業種における燃料価格高騰の影響を調査を行いました。この調査では、運輸事業者からは、燃料費の高騰が収益を圧迫している。建設事業者からは、移動や重機に係る燃料費の支出が大きく、利益率に影響している。食品製造業者からは、原材料の値上げ分の価格転嫁が難しく、利益率の低下は避けられないといったお声が上がっておりまして、これらの業種において経営への影響が出てきておるところでございます。今後、燃料価格の高止まりが続けば、収益の低下によって事業者の経営状況がさらに悪化することが懸念されるところでございます。  県が実施すべき燃料価格高騰対策についてでございます。この燃料価格が高騰いたします中、この影響を受けている中小企業を支援していくということは喫緊の課題であると考えております。県では、燃料価格高騰の影響によりまして、前年同期比で平均利益率三%以上、または売上高五%以上減少した事業者に対し、県制度融資の緊急経済対策資金による低利の金融支援を実施をいたしております。この対象は、新型コロナに係る緊急経済対策資金より幅広くなっておりますが、実施に当たっては、金融機関等に対し、事業者が制度を円滑に利用できるよう対応を要請いたしますとともに、商工会議所、商工会連合会等に燃料価格高騰に関する特別相談窓口を先月二日に設置、開設をいたしました。事業者への周知を行っているところでございます。また、下請中小企業がこの価格転嫁のしわ寄せを受けないように、県中小企業振興センターに設置しております下請かけこみ寺におきまして、弁護士や専門相談員が無料相談に応じているところでございます。このほか同センターにおきまして、下請取引の適正化促進に関するオンラインセミナーを随時行っているところでございます。今後とも、こうした対策に取り組むことによりまして、燃料価格高騰の影響を受けている中小企業者をしっかりと支援をしてまいります。 26 ◯副議長(仁戸田 元氣君) 吉田教育長。 *教育長答弁 27 ◯教育長(吉田 法稔君)登壇 教育振興基本計画閣議決定後の県の取組についてでございます。平成三十年六月に教育振興基本計画が閣議決定された後、文部科学省において同年七月に、夜間中学の設置・充実に向けての手引が改定されました。この手引においては、平成二十八年に成立した、いわゆる教育機会確保法について説明されているほか、具体的なニーズの把握方法や設置、運営上の工夫などが紹介されております。本県においては、各市町村教育委員会に対し、この手引を参考とし、就学機会の提供等の必要な措置を講じるなど、域内のニーズを踏まえた取組の推進を図るよう依頼をいたしました。また、令和三年二月には、文部科学省から夜間中学の設置、充実に関する支援策等を整備した通知が発出されましたことから、市町村教育委員会に対し、改めて夜間中学の設置等に向けた取組の一層の推進について依頼したところでございます。  大牟田市の夜間中学設置への支援についてでございます。大牟田市において令和元年十一月に策定された大牟田市立学校適正規模・適正配置計画第二期実施計画の中で、夜間中学の設置を検討する旨が示されております。その後、ニーズ調査を実施する予定とされておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、本年九月に延期されたとお伺いしております。大牟田市からは随時検討状況を聞いておりまして、適宜相談に応じているところでございます。  夜間中学に通う生徒への就学援助についてでございます。他県の既に夜間中学が設置されている自治体において、就学援助に類する経済的支援が行われていることは承知をいたしております。このような取組は、経済状況にかかわらず、教育を受ける機会を確保するものであると考えております。  夜間中学における広域的な生徒の受入れについてでございます。夜間中学における他市町村からの受入れについては、就学の機会をより広く確保できるものであると思いますが、その実施の有無は、設置者である市町村の教育委員会が判断されるものと考えます。ただし、近隣の市町村から要請があった場合には、県教育委員会としても受入れの調整について大牟田市と協議してまいりたいと考えております。 28 ◯副議長(仁戸田 元氣君) 浜崎達也君。 29 ◯七十三番(浜崎 達也君)登壇 知事、教育長、御答弁ありがとうございました。私からは再質問と思っていたのですが、二点、要望をさせていただきます。  一点目は、女性の働く社会進出に関しまして、今日の答弁であっせんという言葉がございました。本県では十三万五千ぐらいの中小企業が存在していると言われております。今回のハラスメントの答弁であっせんと言いました。これは非常に大事な、労働者と使用者のトラブルの仲立をすると、これは非常に重要だなと思いました。私たちがあっせんと言えば、非常に違う聞こえになって、あまりよくは言われないんですけれども、やはり行政でのこのあっせん、四か所の労働事務所でされていると聞きましたけれども、これと併せてまた国のほうもされている、このことがどのくらいこの十三万五千の会社に浸透しているのか、そこで働いている従業員の皆さんが御存じなのかということが少し気になっております。来年からまたパワハラ防止法も施行されますし、ここは、今執行部に聞きますと、いわゆるホームページとか、労働事務所なんかにチラシを置いているということでございましたが、さらにちょっと、広報啓発といいますか、こういうことをやっているんだということをやはり告知していく、これをぜひお願いしたいと思います。これが一点。  もう一点は、精神障がい者の医療費助成に関してでございますが、今日の答弁では、なかなかまだ進まない、進んでいない答弁でございました。これは、また来年度に向けて、またいろいろ協会の人とも話し合いながら、少しでも何ができるか、そこをしっかり考えていただきたい。  この二つを要望しまして、私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 30 ◯副議長(仁戸田 元氣君) 以上で代表質問を終わります。  本日はこれをもって散会いたします。           午 後 四 時  八 分  散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...